最終更新日:2025/12/03
記事公開日:2025/12/04
近年、ライフスタイルや働き方の変化に伴い、引っ越しや住まい探しは多様化しています。しかし、契約日や引っ越しの日取りを決めるとき、お客様の中には、昔ながらの縁起、吉日、風水などを気にされる人も少なくありません。
その点から言えば、お客様の心理的ハードルを下げ、信頼関係を築くツールとして、縁起や記念日に関する知識は大きな武器になります。
この記事を読むことで、お客様との雑談に使える「不動産関連の記念日」の知識や、日取りで悩まれたときにさりげなく提案できる「六曜」の基本、さらにはデリケートな日取り変更の要望があった場合のスマートな対応方法を身につけることができます。
お客様との信頼関係を深め、成約を後押しするための、営業トークの新しい引き出しが増えるチャンスです。ぜひ最後までお読みください。

目次

「六曜(ろくよう)」とは、暦に記載される日ごとの吉凶を示すもので、特に引っ越しや契約といった人生の大きなイベントの日取りを決める際に参考にされます。
お客様が日取りを気にされる場合、この六曜が基準となることがほとんどです。基本パターンを頭に入れておきましょう。
六曜を考えたとき、引っ越しに適していると考えられるのは、以下のケースです。
| 六曜 | 六曜の意味 | 営業トーク |
| 大安 (たいあん) | 大いに安し。一日を通して何事においても吉とされる日。 | 契約、鍵の引き渡し、引っ越し、すべてにおいて縁起が良いとされている日ですので、この日にしましょう。 |
| 先負 (せんぶ) | 先んずれば負け。午前中は凶、午後は吉とされる日。 | 午後なら引っ越しや契約に良いとされますので、午前中はゆっくりお過ごしいただき、午後から鍵渡しというスケジュールはいかがでしょうか。 |
| 先勝 (せんしょう/さきがち) | 先んずれば勝ち。午前中は吉、午後は凶とされる日。 | 午前中のお手続きなら縁起も良いですから、朝一番で契約手続きを行いましょう。 |
同様に引っ越しや契約に向かないと考えられるのは、以下のケースです。
| 六曜 | 六曜の意味 | 営業トーク |
| 仏滅 (ぶつめつ) | 仏も滅する。六曜の中で、もっとも凶とされる日。 | その日は仏滅になりますが、気になりますか?せっかくのご契約ですので、別日へ変更でも大丈夫ですよ。 |
| 赤口 (しゃっこう/しゃっくなど、諸説あり) | 万事に凶。赤は血や刃物を、口は争いを連想させるものとして、新しく物事を始めるには凶日。 午の刻(11:00~13:00ごろ)だけは吉とされる。 | 赤口ですが、昼頃なら問題ないと思います。ご予定がつくようであれば、正午あたりに契約手続きを行いませんか? |
六曜とは別に、お客様との距離を縮める雑談のきっかけとして、不動産や住まい、暮らしに関連する記念日を活用してみましょう。あまりメジャーではないものもありますが、「会話のネタ」程度に覚えておくと良いでしょう。
賃貸物件の契約や仲介業務に関する記念日は、お客様との「縁」や「出会い」を強調するのに役立ちます。
◆1月18日:いい部屋の日
民間会社が制定した記念日です。「実は今日、1月18日は語呂合わせで【いい部屋の日】なんです。今日お会いできたのも何かの縁ですね!」といった、最初のアイスブレイクに活用できます。
◆9月23日(秋分の日):不動産の日
全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)が制定しました。9月ごろは不動産の動きが活発になることと、「ふ(2)どう(10)さん(3)」の語呂合わせからきています。「【不動産の日】なので、いつも以上に頑張らないとですね。」と、こちらもアイスブレイクで使えそうなフレーズです。
◆11月1日:CHINTAIの日
株式会社CHINTAIが制定した記念日です。「今回お問合せいただいたサイトを運営しているCHINTAIの日です。なにか縁を感じますね。」と、距離感を縮めるトークに使えそうです。
◆11月8日:いい大家の日
民間会社が制定した記念日です。「今日は【いい大家の日】です。物件のオーナー様もお客様も、皆さんに喜んでいただけるよう私も精一杯頑張ります。」と、物件オーナーへの配慮をさりげなく伝えられます。
◆11月29日:いい部屋の日
こちらも民間会社が制定した記念日です。「11月は他にも、8日がいい大家の日だったり、18日がいい家の日だったり、住まいに関する記念日が続きます。」と、季節の話題に繋げられます。
ご夫婦やカップルのお客様との契約時には、新しい生活の門出を祝う話題として活用できます。
◆11月18日:いい家の日
民間会社が制定した記念日です。「今日11月18日は【いい家の日】です。今日決めていただければ、まさに『いい家』に住み始める記念日になりますね!」と成約の後押しに使えます。
◆11月22日:いい夫婦の日
夫婦で話し合うきっかけ作りを目的として制定された記念日です。ご夫婦のお客様に「今日11月22日は【いい夫婦の日】。素敵なお二人にぴったりのいい部屋を見つけましょう!」と、祝福のメッセージを添えることができます。
引っ越しや入居後の生活に関する記念日は、お客様の不安解消や実生活へのアドバイスに繋がります。
◆4月28日:良い庭の日
日本造園組合連合会が制定した記念日です。「4月は【良い庭の日】もありますし、新居で庭づくりを楽しみたいですね」と、入居後の楽しみを提案できます。
◆10月10日:引越しの日
語呂合わせ(10(と)10(と)で「とと(運ぶ)」)から定められた日です。「この日は【引越しの日】です。お客様の門出の日も、スムーズに運べるよう全力でサポートします!」と、お客様の期待感を高められます。
◆10月28日:住宅デー
全国建設労働組合総連合が制定した記念日です。「この日は、住宅の補修・点検を呼びかける日です。長く安心して住むためには、建物の管理も重要です。」と、物件の安心感や管理会社の話題に繋げられます。

お客様が六曜などの縁起を気にされ、契約日や鍵の引き渡し日の変更を希望されることがあります。デリケートな問題のため、お客様の気持ちを尊重しつつ、ビジネスとして円滑に進めるためのトークスキルをご紹介します。
お客様が「仏滅だから」などと日取り変更を希望されたら、まず共感し、すぐに代替案を提示します。
「かしこまりました。お客様が気持ちよく新生活を始められることが一番大切ですから、ご希望の日程で調整いたします。ちなみに、もしお急ぎでなければ、このカレンダーですと〇〇日(直近の大安や先勝・午前中)も非常に縁起が良い吉日ですが、ご都合はいかがでしょうか?」
お客様の希望する吉日が、すでに他の契約や業務で都合が悪い場合は、「六曜の例外的な解釈」を活用して提案してみてください。
「大変恐縮ですが、ご指定の大安はすでにほかのお客様のご契約が入っており、お立合いが難しい状況です。ただ、〇〇日は先負で、午後から大吉とされる日です。午前中の混雑を避けて、午後2時などにお手続きを済ませる形でよろしければ、縁起も良く、スムーズに進められますがいかがでしょうか?」
お客様が縁起を気にしつつも、物件を早く確保したい、手続きを早めに終わらせたいというニーズがある場合は、「手続きのタイミング」と「運気」を切り分けて考えてみてください。
「契約書へのご署名・ご捺印は、お客様のスケジュールを最優先して最短の〇〇日に進めても問題ございません。そして、【運気を呼び込む日】として大事な鍵のお引き渡しだけを次週の大安に合わせて行うというのはいかがでしょうか?こうすれば、手続きも早く、お引き渡し日も最高の吉日となります。」
このように、六曜の知識を単なる迷信としてではなく、「お客様を喜ばせるための心配り」として活用することで、プロフェッショナルな対応が可能になります。

なお、縁起等の話も重要ですが、お金の話も同じくらい重要です。縁起や吉日とは別に、お客様の費用負担や効率に直結する日取りの豆知識として、以下の情報も参考にしてください。プロの視点として、お客様にとって身になるアドバイスとなるでしょう。
まず、引っ越し費用を抑えたい場合は、料金面で有利な日を選ぶのが鉄則です。月曜日から木曜日の平日は、土日祝日と比較して引っ越し料金が最も安くなります。特に連休明けは狙い目です。
次に、時期としては引っ越し需要が集中する繁忙期(2月〜4月)を避け、閑散期(5月〜1月)を選ぶことで、料金が割安になり、業者選びや予約に余裕が持てます。さらに、契約の入れ替わりで需要が高騰しやすい月末や月初を避け、月の10日から25日の中旬を検討すると、料金を抑えることができます。
これらの具体的な情報は、よく挨拶にお見えになる引っ越し業者などと会話をして、動きや費用感などをより具体的に知っておくことが重要です。
また、効率面を考えると、鍵の引き渡し後の土曜日に注意が必要です。役所への転入・転出届の提出は平日のみの自治体が多いですが、事前に土曜日に手続きの一部を受け付けているか確認しておくと、平日の休みを取る回数を減らすことができ、効率的です。
これらの手間やお金に関するアドバイスを盛り込むことで、より説得力が増し、お客様にとっても納得感のある日程調整ができるようになるでしょう。
本記事では、お客様とのコミュニケーションを深めるための、不動産関連の「縁起の良い日」と「記念日」をご紹介しました。
まず、日取り選びの基本となる六曜の三原則(「大安」「先勝(午前)」「先負(午後)」)を覚えてください。これに加え、住まい関連の記念日を雑談のきっかけとしてさりげなく活用したり、平日の引っ越しや閑散期の日取りなど、お客様の費用負担を軽減できる実利的なアドバイスを提供したりすることで、信頼関係を築くことができます。
万が一、日取り変更の要望があった場合でも、お客様の気持ちを尊重しつつ、六曜の「例外的な解釈」や「時間帯の調整」を提案することでスムーズな成約に繋げられます。
今回学んだ知識を、お客様との契約を円滑に進めるためのツールとして活用し、ぜひ成約率の向上にお役立てください。
記事へのコメント | |