最終更新日:2025/10/10
記事公開日:2025/08/26
物件案内は、ただ物件を見せるだけの作業ではありません。事前の準備が行き届いているかどうかで、「お客様の信頼を得られるか」さらには「契約へとつながるか」が大きく変わってきます。
本記事では、案内前に押さえるべき準備から当日の漏れを防ぐためのチェックリストまで、営業現場で役立つ実践的なノウハウをまとめました。
「初めての物件案内で、何を準備すればいいのかわからない…」「案内順はどう決めればいいの?」といった新人スタッフに多い疑問にも答えていきますので、ぜひ最後までご覧ください!

目次
物件案内の第一歩は、お客様の情報やニーズを深く理解することです。単なる条件の擦り合わせではなく、「なぜその条件なのか」という理由までしっかり掘り下げましょう。
ヒアリングで聞いた条件を整理し、優先順位が明確になっているかを確認しましょう。
例えば、お客様から「家賃を抑えたい」という要望が最初に出てきたとしても、ヒアリングを続けていくと「家賃が多少高くなっても、駅近は譲れない」といった本音が隠れている場合があります。
このように、最初に出てきた条件と、深く掘り下げた際に見えてくる本音が異なるケースは少なくありません。
特に、大学進学や就職を控える中、初めて物件探しをするお客様の場合、要望が十分に整理されていないことがよく見られます。そのため、営業担当者が積極的に質問を重ね、お客様自身が気づいていない潜在的なニーズを引き出すプロセスが重要です。
条件だけを満たす物件を提案しても、お客様の生活に合わなければ満足度は高まりません。
そこで大切になるのが、お客様のライフスタイルや家族構成への理解です。勤務先や通勤時間、子どもの学区、近隣のスーパーや病院など、日常の動線を考慮することで「生活のしやすさ」という付加価値を伝えられます。
例えば「最寄り駅から職場まで乗り換えなしで通えるので、朝のストレスが減ります」「このエリアは保育園が充実しているので、共働き世帯に人気です」といった説明は、条件以上にお客様の心を動かします。
お客様のライフスタイルに沿った提案をシミュレーションしておくことで、現地での説明に説得力が生まれますよ。
候補物件が複数ある場合でも、すべてを横並びで紹介するのではなく「この物件が〇〇様に一番合っている」と言い切れる軸を持っておくことが非常に大切です。軸があることで提案に一貫性が生まれるため、お客様が前向きに検討を進めやすくなります。
例えば「通勤時間を30分以内に収めたい」という条件を最優先と決めたなら、「この物件は学区内で、かつ職場まで30分以内で行ける唯一の選択肢です」と強調できます。
逆に軸が曖昧だと「どれも悪くないけれど決め手に欠ける」という印象を与え、決断が先延ばしになりかねません。
お客様の条件と背景を踏まえて、「1本の筋」を通した提案を準備しましょう。
物件選定とスケジュールは、物件案内全体の印象を大きく左右します。
お客様に「この営業担当者は頼りになる」と感じてもらえるよう、効率的で無理のない計画を立てましょう。
案内する物件は、希望条件に合うものを3件程度に絞るのが理想です。
その際、お客様の本音を探るため、あえて少し条件が異なる物件を1件混ぜるといったテクニックがあります。
例えば、ヒアリング時に「駅近が最優先」と言っていたお客様が、いざふたを開けてみると「駅から少し離れている広めの間取りを気に入った」というケースは珍しくありません。
少しタイプが違う物件を入れることで、お客様自身も「本当に重視している条件」を整理しやすくなるため、結果的にスピーディーな決断につながることがあります。
物件を選定したら、次は案内の順番と全体のスケジュールを決めていきます。移動時間や物件の案内可能時間を考慮し、無理のない流れを組み立てることが大切です。
案内順を決める際は、まず第1候補となる「本命物件」をどのタイミングに持ってきたいかをはっきりさせましょう。戦略としては、以下の2つのパターンがあります。
まず比較用の物件を先に見てもらい、その後に第1候補となる「決め物」を案内する方法です。
「1件目、2件目はここが惜しいけど、最後の物件は条件が揃っている」と、第1候補の優位性を自然にアピールできるため、多くのケースで有効な王道パターンです。
もう1つは、あえて第1候補を最初に見せ、その後に条件がやや劣る物件を案内する方法です。
最初に理想に近い物件を見てもらうことで基準が明確になり、次の物件を見たときに「やっぱり1件目が良かった」と感じてもらいやすくなります。
どちらの方法が有効かは、物件のタイプやお客様の性格によっても変わりますが、迷ったときは第1候補を「最後」に持ってくるのがおすすめです。特に物件探しの経験が少ないお客様には、この順番を基本に考えましょう。
一方、長期的に部屋を探しているお客様や内見の経験が豊富なお客様には、最初に決め物を見せた方が響きやすいこともあります。
候補となる物件のバランスやお客様の状況を見極めながら、決め物をより印象づけられる順番を選びましょう。
最後に忘れてはいけないのが鍵の準備です。管理会社への連絡では「受け取り場所・時間・返却方法」の3点を必ず確認し、正しく記録しておきましょう。
キーボックスで受け渡しを行う場合は、設置場所や開錠方法を事前に把握する必要があります。
鍵の手配が滞ると、案内全体が台無しになりお客様の信頼も失います。「鍵を取りに行ったら別の店舗だった」「管理会社が開いていなかった」といったトラブルが起きないよう、余裕を持って手配しましょう。
資料の準備は、お客様に安心感を与えるうえで欠かせない工程です。基本情報だけでなく、比較や生活環境の資料も揃えておくことで、提案の説得力が一段と高まります。
まず必ず用意すべきは、間取り図・賃料・管理費・設備などの基本情報です。加えて、築年数やインターネット環境、防犯カメラの有無など、暮らしに直結する情報も押さえておきましょう。
また、補足として周辺の生活情報(学校、病院、買い物環境)も簡単にまとめておくと、案内時の会話が広がりやすくなります。
なお、物件数が多い場合は、家賃・広さ・築年数・交通アクセスなどを一覧にした比較表を作るのもおすすめです。お客様が検討しやすくなるだけでなく、スタッフ自身も情報を整理しやすくなるため、物件案内がスムーズに進みますよ。
用意した資料は「お客様用」と「自分用」の2部を印刷して持参しましょう。
お客様には見やすさを意識してクリアファイルに整理、自分用には付箋などを付けて情報を書き留められるようにしておくと便利です。
お客様の前でバタバタすることなくスムーズに移動できるかどうかは、営業スタッフの腕の見せ所です。案内ルートをあらかじめ確認しておき、自信を持って当日を迎えましょう。
複数物件を案内する際は、最短ルートを意識しながらも無理なく移動できるよう調整しなければなりません。
地図アプリを使って、ルートごとの所要時間と混雑などのトラブルがあった場合の別ルートをシミュレーションしましょう。
例えば、Googleマップには、オリジナルマップを登録する機能(マイマップ)があります。目的地ごとにメモを追加できるため、必要な情報を記録しておくと便利です。
PCブラウザでマイマップを作成した場合は、スマートフォンのアプリに反映されているかも忘れずにチェックしておきましょう。
現地までの移動ルートに気を取られがちですが、到着後の動線までしっかりと押さえておきましょう。
駐車場の有無や近隣のパーキング、エントランスまでのルートなどを確認しておくことで、現地で迷うことなくお客様を誘導できますよ。
当日になってから慌てることのないよう、最終チェックは前日のうちに済ませておくのが理想です。小さな準備の差が、お客様の印象や信頼度を大きく左右します。
第一印象はお客様との関係を左右する要素となるため、清潔感と誠実さを意識した装いが求められます。
スーツの着こなしや髪型は当然のこと、靴や爪も意外と目につくポイントなので、きちんと手入れして当日を迎えましょう。
また、当日使う持ち物も前日までに揃えておきます。以下のアイテムは、物件案内時によく使われる必需品です。
・名刺
・筆記用具
・スリッパ
・メジャー
・懐中電灯
上記アイテムに加え、季節や天候に合わせて必要なものを準備しておきましょう。可能であれば夏は冷たい飲み物、冬は使い捨てカイロなどを用意しておくと、お客様への細やかな心配りが伝わり、好印象につながります。
車での移動時間も、お客様にとっては案内の一部です。足元にゴミが落ちていたりシートが汚れていたりすると、それだけで印象を損ねてしまいます。
前日のうちに掃除機やクロスで清掃を行い、ナビの設定や燃料残量も確認しておきましょう。
また、車内の匂いも意外と印象を左右します。香りの強い芳香剤は好みが分かれるため、無香タイプの消臭スプレーなどでさっぱりと整えておくとよいですよ。
物件案内では、「治安はどうですか?」「隣人の雰囲気は?」「ゴミ出しのルールは?」といった生活に密着した質問を受けることがよくあります。
その場で即答できないとお客様は不安を感じてしまうため、地域情報や管理規約を事前に確認し、要点を整理しておきましょう。
準備を効率的に進めるためには、「よくある質問リスト」を活用するのがおすすめです。閑散期など時間に余裕があるときに、治安・周辺施設・生活ルールなど、過去にお客様から聞かれた項目をリスト化しておきます。
作成したリストをもとに、案内予定の物件ごとに回答をまとめておけば、現地で即座に対応できるため、自信を持って臨めますよ。
これまでの準備を踏まえて、案内当日までに整えておくべき15項目をチェックリストにまとめました。
◻︎ お客様の希望条件と優先順位を把握している
◻︎ 家族構成や生活スタイルをヒアリングしている
◻︎ 案内候補を3件程度に絞っている
◻︎ 各物件の案内可能時間を把握している
◻︎ 鍵の手配を済ませている
◻︎ 案内ルートをシミュレーションしている
◻︎ 現地までの移動ルートを確認している
◻︎ 駐車場や駅からの動線を確認している
◻︎ 物件資料を整理している
◻︎ 資料はお客様用と自分用に2部ずつ印刷している
◻︎ よくある質問と回答例を想定している
◻︎ 名刺・スリッパ・筆記用具などの持ち物を準備している
◻︎ 天気予報を確認し、雨具や日傘などを準備している
◻︎ 車内を清掃し、ナビ設定や燃料を確認している
◻︎ 緊急時の連絡先(管理会社、オーナー等)を控えている
このリストを基本形として、自社の業務フローに合わせて自由にカスタマイズしてお使いください。
物件案内は、ただ鍵を開けて部屋を見せるだけではなく、事前の準備が信頼を生む大切な仕事です。 経験の浅いスタッフでも、丁寧な準備を重ねることで自信を持って対応できるようになるため、一つひとつ確実にクリアしていきましょう。
本記事で紹介したポイントやチェックリストを参考に、お客様から信頼される営業スタッフを目指してください!
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