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【保存版】賃貸仲介営業でのAI活用法5選!今日から使えるChatGPT指示例文付き

記事公開日:2025/06/30

最終更新日:2025/06/27

賃貸営業の現場では、物件紹介から契約手続き、入居後のフォローまで日々様々な業務に追われます。「もっと効率よく仕事をしたい」「お客様対応の質を高めたい」と感じている営業スタッフの方も多いのではないでしょうか。

そんな中、近年注目を集めているのがChatGPTをはじめとする生成AIです。ChatGPTは無料版があり、スマートフォンやパソコンから手軽にアクセスできるため、日々の業務を効率化する強力なツールとして幅広いビジネスで活用されています。

本記事では、賃貸仲介営業の現場で実践できるChatGPTの活用方法を、すぐに使える指示例文(プロンプト)とともに紹介します。日々の作業量の多さに悩んでいる方やより効率的に業務を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。

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賃貸仲介営業で使えるChatGPT活用法5選

ChatGPTを上手く活用するカギとなるのが、「プロンプト」の設計です。

プロンプトとは、生成AIに投げかける指示や命令文のことです。例えば「映画のあらすじを要約して」「履歴書の自己PR文を作って」といったように、AIに対して具体的にお願いしたい内容を伝えるための文章になります。

ここでは、「賃貸仲介営業の現場ですぐに使える厳選プロンプト」を5つご紹介しますので、活用方法と併せてご確認ください!

1. 物件紹介文の作成

物件紹介文の出来栄えは、お客様からの問い合わせ数を大きく左右します。

ChatGPTを使用すれば、ターゲット層に合った表現を自動で提案してくれるため、経験の浅いスタッフでも短時間で訴求力の高い紹介文を作ることができるんです。

プロンプト例

以下の物件情報をもとに、ターゲット層の心に響く魅力的な物件紹介文を作成してください。ユーザーが「内見してみたい」と思えるような、訴求力の高い文章にしてください。

①物件:ワンルーム、築5年、駅徒歩3分、オートロック、家賃8万円
②ターゲット:20代女性

以下は、実際にプロンプトを入力して生成された回答例です。

ChatGPT 回答例

【駅徒歩3分の好立地ワンルーム!安心のオートロック付き】

○○駅から徒歩3分の立地にある築5年のワンルームマンションです。毎日の通勤・通学に便利で、駅周辺でのお買い物やお食事も気軽に楽しめます。

オートロック完備なため、女性の一人暮らしでも安心してお過ごしいただけます。

内見のご予約やご質問など、お気軽にお問い合わせください!

活用のコツとアレンジ方法

このプロンプトをベースに、ターゲットを「30代男性」や「ファミリー世帯」に変更するだけで、ユーザーのニーズに合った紹介文を生成できます。複数パターン作って反響の良い表現を分析することで、営業スキルの向上にもつながります。

2. お客様からの問い合わせ対応文の作成

お客様からの問い合わせ対応は賃貸営業の基本業務ですが、毎回一から回答を作成するのは時間がかかる上、担当者によってばらつきが生じるという課題があります。

ChatGPTを活用することで、こうした課題を解決し、統一感のある丁寧な回答文を作成できるようになります。

プロンプト例

以下のお客様からの問い合わせに対して、丁寧で的確な回答メールを作成してください。お客様の不安を解消し、信頼関係を築ける内容にしてください。

【お客様からの問い合わせ内容をここに記載】
〇〇〇〇

回答例は、以下のとおりです。

ChatGPT 回答例

この度はお問合せをいただき、誠にありがとうございます。
○○不動産の○○と申します。
ご質問の物件周辺環境についてご案内いたします。

△△マンション ◻︎号室
物件種別:賃貸 マンション
所在地:物件住所

最寄り駅まで徒歩3分の好立地
コンビニ(徒歩1分)、スーパー(徒歩5分)が近接
医療機関も徒歩圏内で安心

内見のご予約も承っておりますので、ご都合の良い日時をお聞かせください。

活用のコツとアレンジ方法

基本のプロンプトに「内見予約に繋がる一文を添えて」「お客様の都合の良い日を尋ねて」といった指示を加えることで、次のアクションを自然に促すことができます。

また、よくある質問については事前にテンプレートを作成しておきましょう。「設備に関する質問」「周辺環境の問い合わせ」など、プロンプトをパターンごとに準備しておけば、スピーディーで一貫性のある対応が可能です。

3. SNS投稿文の作成

SNSによる物件宣伝は今や集客の重要な手段ですが、限られた文字数で物件の魅力を伝える投稿文の作成は意外と難しいものです。

しかし、以下のようなSNS向けのプロンプトを活用することで、各媒体の特性に合わせた効果的な投稿文をあっという間に作成できます。

プロンプト例

以下の物件情報をもとに、Instagramの魅力的な投稿文とハッシュタグを5つ作成してください。投稿文は100文字程度で、女性ユーザーが保存したくなるような「おしゃれさ」をアピールする内容にしてください。

①物件:1K、新築、駅徒歩2分、家賃11万円
②訴求ポイント:立地の良さ、デザイン性、新築の清潔感

回答例は、以下のとおりです。

ChatGPT 回答例

✨新築1K物件のご紹介✨
駅チカ2分の好立地におしゃれな新築マンションが登場💫
清潔感溢れる室内で新生活をスタートしませんか?

内見予約受付中📩

#新築物件 #駅チカ #一人暮らし #新生活 #◯◯駅

活用のコツとアレンジ方法

各プラットフォームの特性を理解して、投稿文やハッシュタグのスタイルを調整することが重要です。

例えば、InstagramはXに比べ女性ユーザーの比率が高いため、「おしゃれ」「可愛い」といった感性に訴える表現が効果的です。一方、Xでは「新着物件」「即入居可」といった緊急性をアピールする表現が目につきやすい傾向にあります。

4. 社内ミーティングの議事録作成

会議の議事録作成を効率化したい方は、文字起こしソフトとChatGPTの併用がおすすめです。まず、Notta(ノッタ)やGoogleドキュメントなどのツールで会議の音声データから自動的に文字起こしを行います。

次に、文字起こしされたデータをChatGPTに添付し、以下のような議事録作成のプロンプトを入力します。

整理された読みやすい議事録を短時間で作成できるため、会議中はディスカッションに集中できる点が大きなメリットです。

プロンプト例

添付した文字起こしデータをもとに、議事録を作成してください。「決定事項」と「検討事項」が一目で分かるよう、見やすく整理された構成にしてください。

【文字起こしデータをここに記載⇩】

回答例は、以下のとおりです。

ChatGPT 回答例

■会議概要
日時:2025年○月○日 10:00-11:00
参加者:◯◯ △△ ◻︎◻︎
議題:6月の営業成績振り返りと7月の目標設定

■決定事項
5月の営業目標:成約件数20件(前月比120%)
新人研修プログラムを来月から開始
顧客管理システムの導入を6月に実施

■検討事項
SNS活用による集客強化の具体的手法
外国人顧客対応マニュアルの作成時期
(以下省略)

活用のコツとアレンジ方法

重要なのは、文字起こしデータを単純にコピーするのではなく、会議の参加者や目的に応じてプロンプトを調整することです。

例えば、営業会議であれば「売上目標」「案件進捗」を重視した構成に、管理職向けの会議であれば「課題」「解決策」を明確に分けた構成にするなど、用途に応じてカスタマイズできます。

ただし、重要な数値や固有名詞については、文字起こしの精度を必ず人がチェックするようにしましょう。

5. 外国人入居者対応(多言語サポート)

グローバル化によって外国人の入居希望者が増える中、言葉の壁や文化の違いによるトラブルを避けるためにも、多言語での対応が欠かせなくなっています。

ChatGPTは、英語や中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、ロシア語など、80以上の言語に対応しているため、多言語での説明文やリーフレット作成にも役立ちます。

プロンプト例

以下の情報を用いて、ゴミの出し方を外国人入居者向けに英語で分かりやすく説明してください。日本の生活に慣れていない方でも理解できる内容にしてください。

・燃えるゴミ:月・木曜日の午前8時までに指定のゴミ袋で出す
・燃えないゴミ:第2・第4土曜日に透明な袋で分別して出す
・資源ゴミ(ペットボトル・缶・ビン):毎週水曜日に分別して出す
・大型ゴミ:事前に市役所へ連絡が必要(有料)

回答例は、以下のとおりです。

ChatGPT 回答例

【Here is the garbage disposal schedule for your building】(お住まいの建物のゴミ出しスケジュールです)

■Burnable Trash(燃えるゴミ)

Monday & Thursday before 8:00 AM(月曜日・木曜日の午前8時まで)
Use designated garbage bags(指定のゴミ袋を使用)

■Non-burnable Trash(燃えないゴミ)

2nd & 4th Saturday of each month(毎月第2・第4土曜日)
Use transparent bags(透明な袋で分別)

(以下省略)

活用のコツとアレンジ方法

近隣施設の案内や緊急時の対応手順など、賃貸管理業務で必要となる様々な場面にも応用できるため、外国人入居者との円滑なコミュニケーションツールとして幅広く活用していきましょう。

ただし、「敷金」「礼金」といった不動産専門用語については、直訳では意味が正確に伝わらない場合があります。これらの用語を多言語で説明する際は、単純な翻訳ではなく、その背景にある日本の賃貸システムや慣習も含めて説明することが重要です。

賃貸営業でChatGPTを使う際の注意点

ChatGPTは非常に便利なツールですが、賃貸営業の現場で使用する際にはいくつかの注意点があります。安全かつ効果的にAIを活用するため、一つひとつ見ていきましょう。

個人情報・機密情報の取り扱いに注意

ChatGPTに入力した情報は学習データとして利用される可能性があるため、慎重に取り扱いましょう。

特に、賃貸仲介営業ではお客様の個人情報や物件オーナーの機密情報を扱うことが多くあります。そのため「お客様の氏名や連絡先、年収などの個人情報や、社内の機密情報は一切入力しない」といったように、業務利用時の社内ルールをしっかりと定めておくことが重要です。

AIの回答内容は必ず人がチェック

ChatGPTの回答は必ずしも正確ではありません。特に不動産に関する法律や契約条件などの間違った情報をお客様に伝えた場合、大きなトラブルになる可能性があります。

また、AIが作成した物件紹介文が不動産の物件広告ルールに違反していないかのチェックも欠かせません。実際の物件より良く見せるような誇大表現や、誤認を招く表現が含まれている場合、業務停止処分や免許取消処分になることもあるため、十分注意が必要です。

AIの回答は参考情報として活用するに留め、最終的な判断は必ず人が行うよう徹底しましょう。

著作権侵害のリスクを回避

ChatGPTが生成した文章が既存のコンテンツと類似している場合、著作権侵害にあたる可能性があります。

そのため、AIの回答をそのまま使うのではなく、必ず自分たちの言葉で書き直すひと手間を惜しまないことが大切です。

特に、長文の場合はコピペチェックツールで重複箇所をチェックするなどし、著作権侵害のリスクを防ぎましょう。

ChatGPTで業務効率化するための3つのコツ

ChatGPTを賃貸営業で使いこなすには、押さえておくべきポイントがあります。中でも、特に重要な3つのポイントについて説明します。

1. 具体的かつ詳細なプロンプトを作る

ChatGPTから質の高い回答を得るためには、曖昧な指示は避け具体的かつ詳細なプロンプトを入力することが重要です。

先ほどご紹介したプロンプト例のように、ターゲット層や物件の詳細情報、文字数、訴求したいポイント等を明確に指定することで、実用的かつ効果的な回答を得られます。

どうやってプロンプトを作ればよいかわからない場合は、ChatGPT自身に作成してもらうのも一つの手です。

プロンプト例

「賃貸営業で使える物件紹介文を作成するための効果的なプロンプトを教えてください。ターゲット層や物件情報を具体的に指定できるようなテンプレート形式でお願いします。」

このように指示することで、自社の業務に適したプロンプトの雛形を手に入れることができる上、後にカスタマイズがしやすくなります。

2. 社内でプロンプト集を共有する

使いやすいプロンプトが見つかったら、テンプレート化してチームで共有しましょう。効果的なプロンプトを組織全体で管理することで、営業スタッフ全員のスキルアップと業務効率化につながります。

また、プロンプトを使用して期待した結果が得られなかった事例等も含めて共有することで、一人では気づけなかった改善点も見えてきます。自社のブランドカラーに合った文章を生み出せるよう、プロンプトは継続的にブラッシュアップしていきましょう。

3. スマートフォンアプリを活用する

ChatGPTはWebブラウザだけでなく、スマートフォンアプリも提供されています。外出時や物件案内中でも手軽に利用できるため、アプリもダウンロードしておくことをおすすめします。

移動時間や待ち時間を有効活用して、より効率的に業務を進めましょう。音声入力機能をONにすればハンズフリーでプロンプトを入力でき、さらに便利に使用できます。

ChatGPTを味方につけて賃貸営業の質を向上させよう

ChatGPTを活用することで、物件紹介文の作成やお客様へのメール対応が飛躍的に効率化できます。さらに、業務効率化によって生まれた時間を、お客様とのコミュニケーションや物件調査といった重要な業務に充てられるようになります。

ただし、AIツールの回答には誤りも含まれるため、人間による最終的なチェックが欠かせません。特に不動産取引では法的な正確性が求められるため、AIの回答を鵜呑みにするのではなく、専門知識を持った担当者によるチェックを怠らないようにしましょう。

今回ご紹介したプロンプトは、今日から実践可能です。「まずは物件紹介文の作成から始め、徐々に活用範囲を広げる」といったように、AIの特性を学びながら段階的に業務に取り入れていってください!

泉 正孝

この記事を書いた人

ウェブスタジオイズミ代表。宅地建物取引士・マンション管理士・管理業務主任者・相続マイスター。東京都在住。大学卒業後、電鉄系総合不動産会社に入社し、不動産仲介事業部に所属。

不動産業界歴10年以上、ライター歴7年以上、サイト運営歴9年以上の経験を活かし、ライター兼ディレクター、SEOコンサルタントとして活動中。「住宅ローン・相続・税金・保険・資産運用」など、実体験に基づく記事を1900本以上執筆。SEO上位獲得多数。専門家として1次情報とエビデンスを重視し、読者目線の執筆を心がけている。

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