最終更新日:2025/10/15
記事公開日:2025/10/16
「内見のときにどんな質問をされるんだろう?」「聞かれたことにうまく答えられるか不安…」
日々さまざまなお客様と向き合う賃貸営業の現場では、質問対応の難しさに戸惑いを感じているスタッフの方も多いのではないでしょうか。
また、近年はお客様自身が事前に情報を調べていることも多く、より具体的で正確な説明が求められるようになってきています。
そこで本記事では、内見でよくある質問をカテゴリ別に整理し、質問の意図や対応のポイントを分かりやすくまとめました。
自信を持って内見対応に臨みたい方は、ぜひ参考にしてください!

目次

建物や設備の状態はお客様の関心が高いため、質問内容も細かくなりがちです。
正確な情報を伝えるのは当然のこと、実際の生活がイメージできるような説明を補足できると好印象につながります。
内見時の定番質問ですが、ここには「状態の確かさ」を知りたいというお客様のニーズが隠されています。
そのため、「◯年です」と数字を伝えるだけでなく、「手入れが行き届いているか」「写真と印象が違わないか」など、実際のコンディションを具体的に伝える工夫をしましょう。
新築や築浅なら、完成時期や最新設備を具体的に伝えることで安心感につながります。築年数が経っている場合は、リフォーム時期や外壁・水回りの手入れを補足し、「今のきれいさ」を印象づけることが重要です。
「築15年ほどになりますが、去年フルリフォームされていて、内装や設備はかなり新しくなっています。」
「昨年外観工事が行われたばかりなので、築年数のわりにとてもきれいな状態ですよ。」
インターネット環境の有無は、今や多くのお客様にとって「生活必須条件」のひとつです。近年はリモートワークや動画視聴などで通信量が増えているため、費用面だけでなく通信速度や利用条件も含めた説明が求められます。
その際、インターネット設備の表記によって必要な手続きが変わる点に注意が必要です。
たとえば、「インターネット完備」や「光ファイバー完備」は、建物全体でプロバイダー契約まで済んでおり、入居後すぐにLANやWi-Fiが使える状態です。
一方、「インターネット対応」や「光ファイバー対応」は、建物の共用部分まで回線が引かれている状態で、室内で利用するには入居者自身で契約手続きを行う必要があります。この場合、利用料金も入居者負担となるケースが一般的です。
入居後に「インターネットが無料だと思っていたのに、話が違う」といったクレームが起きないよう、誤解を招かない説明を心がけましょう。
「こちらの物件は『インターネット完備』となっております。
LANケーブルとパソコンを繋げば、お引越し当日からインターネットがご利用いただけますよ。」
「こちらの物件は、共用部まで光ファイバーが引かれている『光ファイバー対応』タイプです。
お客様自身でプロバイダー契約をしていただく形となりますが、テレワークなどで速度を重視される方にも安心してお使いいただけますよ。」
駐車場や駐輪場の有無は、ファミリー層や通勤で車・自転車を使うお客様にとって重要な判断材料です。お客様からの質問に備えて、「空き状況」「サイズ制限(軽自動車/普通車等)」「月額料金」の3点をあらかじめ把握しておきましょう。
ただし、空き状況は常に変動するため、「現時点では空きがある」「入居時期によっては埋まってしまう可能性がある」といった前置きをしておくと安心です。
駐輪場の場合は、「登録制かどうか」「屋根の有無」「バイクも停められるか」を確認しておくと、お客様からの咄嗟の質問にも対応できますよ。
特にお子様がいるご家庭では、自転車やベビーカーの置き場所を気にされる方も多いため、現地で実際に案内しながら説明すると効果的です。
「敷地内に駐車場と駐輪場があり、現時点では空きがございます。
駐車場は月額1万5千円で、屋根付きのため、雨の日でもお子様の乗り降りがしやすく安心ですよ。」
「駐輪場は登録制で、自転車と原付バイクが駐輪可能です。月額料金は自転車が500円、原付バイクが1,000円となっています。」

セキュリティや防災に関する質問は、「毎日安心して暮らせるか」を判断する大きなポイントとなるため、営業スタッフの説明力が信頼につながる重要な場面です。
物件の設備面のほか、周辺環境や建物の構造面からも補足できると、お客様の安心感を高められますよ。
防犯設備の有無は、入居を決める際の大きな決め手になります。
特に女性の一人暮らしや小さなお子様がいるご家庭では、「どの程度の防犯対策が取られているか」を具体的に知りたい方が多いです。
オートロックがある場合は、「エントランスの位置」「モニター付きかどうか」「非接触キー対応か」など、実際の使い勝手を補足して説明しましょう。
防犯カメラについては「設置箇所」や「録画・管理体制」にも触れることで、安心感をアピールできます。
「エントランスはオートロック付きで、非接触キー対応です。
鍵をかざすだけで解錠できるので、お子様を抱っこしているときや荷物が多いときにも便利ですよ。」
「防犯カメラも共用部に複数台設置されていて、不審者対策もきちんとされています。
女性の一人暮らしでも、安心してお住まいいただける環境です。」
災害への備えは、近年特に関心が高まっているポイントです。
内見前に建物の構造や防災設備の有無を確認し、どんな備えがあるのかを把握しておきましょう。
耐震性に関する質問を受けたら、まず建物の構造と築年数を確認し、耐震基準に関する説明を添えましょう。
1981年6月以降に建築確認を受けた物件は「新耐震基準」に対応しており、震度6強から7程度の揺れでも倒壊しにくい設計です。この点を明確に伝えることで、お客様の安心感につながります。
また、耐震補強工事や防災設備が備わっている建物を案内する際は、現地で実際の設置場所を見てもらうことで、物件の安全性を強く印象付けられますよ。
「こちらの建物は鉄筋コンクリート造で、新耐震基準に対応しています。」
「共用部には非常灯や消火器も設置されており、定期的に点検が行われています。
停電時でもエントランスの照明が自動で切り替わる仕組みなので、夜間の避難時も安心ですよ。」
地震や豪雨などの災害が増えている昨今、内見時に「避難経路」や「非常時の備え」を確認するお客様も少なくありません。
質問を受けた際は、建物に掲示されている「避難経路図」に沿って、避難階段の位置や非常口の方向を一緒に確認してもらいましょう。
その際、ハザードマップや避難場所に関する情報も一言添えられるのが理想です。
たとえば、自治体の防災マップを印刷して渡したり、内見に向かう道中に最寄りの避難所の場所を確認したりすると、より安心感を与えられますよ。
「建物内の各階に避難経路図が掲示されていて、階段はエレベーター横の非常口から外に出られるようになっています。」
「最寄りの避難場所は〇〇小学校で、徒歩3分ほどの距離です。
お子様連れでも安全に避難できる立地ですよ。」

周辺環境やアクセスについて質問するお客様は、「住んだ後の生活リズムをイメージしたい」と考えています。
通勤・通学・買い物などの動線を考慮した、具体的な説明を心がけしましょう。
通勤・通学に関わる質問で最も多いのが、最寄り駅までの距離や時間です。
単に「徒歩○分」と伝えるだけではなく、「実際に歩いた感覚」や「周辺の雰囲気」を具体的に説明できるようにしておきましょう。
たとえば、「駅までの道のりに坂があるかないか」「夜間の街灯の明るさはどうか」など、体験を交えた説明ができると信頼感がぐっと高まります。
「最寄りの〇〇駅までは徒歩5分ほどです。坂が少なく歩道もしっかり整備されているので、ベビーカーでも移動しやすいですよ。」
「駅までの道のりには、24時間営業のスーパーとコンビニがあります。
街灯も明るいので、夜間でも安心して歩ける環境です。」
生活の利便性を左右する「買い物環境」も、内見時によく尋ねられる質問のひとつです。
ファミリー層には大型ショッピングモールや駐車場付きのスーパーを、単身者にはコンビニエンストアや小型スーパーなど、ライフスタイルに合った買い物環境を中心に説明しましょう。
ただし、単身者でも料理をする方・外食が多い方など生活スタイルはさまざまです。「普段、自炊はされますか?」とさりげなく聞いておくと、お客様のニーズに合わせた提案がしやすくなりますよ。
営業時間や品揃えの特徴など、実際の生活イメージが浮かぶ情報を添えられると、さらに印象アップです。
「徒歩3分のところにスーパー〇〇があります。夜22時まで営業しているので、仕事帰りでも買い物がしやすいですよ。」
「駅までの途中にドラッグストアとコンビニがあるので、急な買い出しにも便利です。」
契約前の段階で、お客様が不安を感じやすいのが「近隣の住環境」や「入居後のルール」です。
騒音・治安・ゴミ出しなどは、住んでみないとわかりにくい部分でもあるため、営業スタッフがどこまで把握しているかが信頼につながります。
治安や騒音に関する質問は、特にお子様連れや女性のお客様から多く寄せられます。
「静かに安心して暮らせるかを確かめたい」という意図があるため、数字やデータだけでなく、実際の生活感に近い情報を伝えるようにしましょう。
治安については、警視庁や自治体が公表している「防犯マップ」などを参考にしつつ、現地の雰囲気や夜間の人通りを補足すると信頼感が高まります。
騒音については、交通量・線路・周辺店舗の有無など、音の出どころを具体的に説明するのがコツです。
「周辺は住宅街で人通りもあり、夜でも街灯が多く明るい環境です。
近くに大きな道路はありますが、防音性能の高いガラス窓を使用しているため、窓を閉めるとかなり騒音を抑えられますよ。」
「この辺りは、防犯マップを見ても犯罪発生件数が少ない地域です。
住宅街が中心で、夜も街灯が多く人通りもあるので、お子様の通学や夜間の帰宅時も安心ですよ。」
ゴミ出しのルールは、入居後の生活トラブルを防ぐうえで非常に重要なポイントです。お客様からの質問もよく寄せられるため、物件ごとの細かな違いを正しく理解しておきましょう。
まず確認しておきたいのは、ゴミの分別方法・収集日・ゴミ置き場の位置の3点です。自治体によってルールが異なるため、物件資料や管理会社へのヒアリングで事前に把握する必要があります。
また、管理方式によっても対応は変わります。たとえば、24時間ゴミ出し可能な物件であれば共用部の清掃体制が整っていることを説明し、曜日指定のある物件であればそのスケジュールを明確に伝えるのがポイントです。
「こちらの物件は曜日ごとに分別ルールが決まっています。可燃ごみが月・木曜、資源ごみが水曜です。」
「ゴミ置き場は敷地内にあり、朝8時までに出していただく形になります。
管理会社が定期的に清掃しているので、臭いやカラスの心配もありませんよ。」
内見で落ち着いて対応するためには、事前の準備が大切です。
特に経験が浅い頃は、お客様からの質問をシミュレーションしておくことで、焦らず説明できるようになり、対応の引き出しも自然と増えていきますよ。
今回紹介した想定質問と回答例を参考に、自信を持って内見に臨んでいってください!
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