記事公開日:2021/12/16
最終更新日:2023/11/16
お客様や取引先とのやり取りにおいて、メールは欠かせないツールです。ビジネス上のメールにはさまざまなルールがあり、間違ったビジネスメールを送ると相手からの印象や企業の信用を損ねてしまうかもしれません。
今回は、ビジネスメールの返信における基本的なマナーやコツなどを紹介していきます。また、賃貸仲介営業向けの情報も多く記載しているので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。
※下記の関連記事では状況別のビジネスメール文例(訪問後お礼/返信マナー/催促/謝罪/遅れた時のお詫び/日程調整/新規開拓など)をまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。
目次
ビジネスメールは基本的に、プライベートと同じような感覚で送るものではありません。ビジネスメールの返信には基本的なマナーがあるので、まずはこのマナーの詳しい内容から見ていきましょう。
プライベートでは、すべてのメールに返信していないという人も多いのではないでしょうか。しかしビジネスメールでは、返信しないと失礼と受け取られる可能性があります。そのため、ビジネスメールは基本的に必ず返信しなければいけません。
特に、自分から送ったメールは自分のメールで終わらせるのが基本です。たとえささいな内容であっても、メールの内容を確認したことや、報告や共有へのお礼などはできるだけ伝えるようにしましょう。
しかし、ビジネスメールでも返信が不要になるケースがあります。以下のメールには、基本的に返信する必要はありません。
ビジネスメールは「to:」がメインの宛先で、「cc:」は参考や情報共有のために使われることが一般的です。確認や返信をするのは「to:」の人であり、「cc:」の人は返信する必要がありません。
ただし、「to:」の受信者が不在の場合は「cc:」の人が代わりに返信することがあります。その際は、本来の受信者である人も送信先に含むように気をつけましょう。
相手から「返信不要」と記載されたメールが返ってきた場合、その後のメールのやり取りが長くなる可能性もあるため、基本的に返信しなくても問題ありません。しかし、目上の人やお世話になった人の場合は、軽めの内容で返信しておくのがベターです。
返信不要は、「返信しないでほしい」ではなく「返信する必要はない」という意味のため、返信しても問題はありません。失礼にあたらないよう、相手や状況によって対応を変えることが重要です。
ビジネスシーンでは、レスポンスの早さが重要視されています。特に確認メールや問い合わせメールは早め早めの返信が一番です。メールが届いたら、当日または翌営業日までには返信するように心がけましょう。
もし確認に時間がかかる場合等は、メールを受け取った旨だけでも返信しておくのがベターです。また、出張や長期休暇などで一定の期間メールが確認できない状況になる場合も、早いうちに「◯日〜◯日はメール対応ができません」といった旨を連絡しておくと良いでしょう。
ビジネスメールは対応の早さが重要ではあるものの、相手に確認してもらいやすい時間に送ることも求められます。たとえ社外でメールが見られる環境であっても、仕事は業務時間内に済ませたいという人がほとんどでしょう。そのため、ビジネスメールは営業時間内に返信するのが一般的です。
注意しておきたいポイントは、自分の会社の営業時間ではなく、相手の会社の営業時間に合わせることです。どうしても営業時間外にメールを送る必要がある場合は、業務時間外に返信することへのお詫びや理由を伝えておきましょう。
仕事中はさまざまな業務があり、メールに対してそこまで多くの時間を割けない方も多いでしょう。相手がメールを読む時間をできるだけ短くできるように、返信メールは簡潔な文章にする必要があります。
ビジネスメールだからといって、「拝啓~」などと格式ばった文章にする必要はありません。内容・用件をわかりやすく伝えることが重要なので、要点がまとまった読みやすいメールを送るようにしましょう。
ビジネスメールは1日に何通もやり取りするため、件名を見ただけでどんな内容かを理解してもらう必要があります。返信のたびに件名が変わると、どの用件に対するメールかがすぐにわからないため、同じ話題が続くのであれば、相手からのメールの件名はそのまま残したうえで返信しましょう。
ビジネスメールは対応の早さが求められるものの、誤字や脱字、ミスが多いのは好まれません。すぐに送れるメールだからこそ、送る前に一呼吸おいて内容を確認しましょう。
特に添付ファイルなどを忘れると、相手に添付を催促させる無駄なやり取りが発生します。また、間違った相手に誤送信してしまうと大きなトラブルが起きる可能性もあるため、送信前のチェックは必ず行いましょう。
ビジネスシーンにおいて、なるべくすぐに確認してほしい緊急性が高いメールも多くあります。しかし、長時間席を外していたり、ほかの業務に対応していたりすると、なかなかすぐに確認することができません。
このような緊急の場合は、電話で連絡して確認を取りましょう。メールを送ったことや、確認してほしい期日を伝えると、より確実性を高めることができます。
メールでは意見の交換のみならず、質問を受けることも当然あります。その際は質問の回答をすることになりますが、回答ばかり羅列してしまうと、質問をした側であっても混乱してしまうため、「引用返信」を活用しましょう。引用返信とは、相手方から頂戴したメールの内容を引用してそこに回答を追記していくというものであり、実務では大きく2種類の方法が採用されます。
1つ目は、返信をする際に相手方が記載した本文に追記する形で質問に回答するインライン方式です。もう1つは、返信をする際に、相手方が記載した本文の質問部分をコピーして自分の本文に貼りつけ、そこに回答を記載するコピペ方式です。
相手方の本文に追記する形では、自分の回答部分の色を変えるのが良いでしょう。色を変えることで、相手が読みやすくなるためです。
2つ目のコピペ方式では、引用部分を明確にすると良いでしょう。たとえば、「>」という記号をコピペ質問の文頭につけるとわかりやすくなります。
メールを送付するときの宛先には、主に「TO」「CC」「BCC」のいずれかをつけます。
TOは「宛先」という意味で、こちらに指定されたメールアドレスに直接送信されます。主要な受信者や直接関係する人のメールアドレスを記入することになりますが、一般的にはToは1名であることが多いです。
CCとは、「Carbon Copy(カーボンコピー)」の頭文字を取ったもので、こちらに指定されたメールアドレスにも同じ内容のメールが送信されます。CCメンバーには、主に情報共有の対象となる人々(社内・社外を問わない)を入れることが一般的です。
BCCとは、「Blind Carbon Copy(ブラインドカーボンコピー)」の頭文字になります。こちらに指定されたメールアドレスにも同じ内容のメールが送信されますが、他の受信者にはBCCに指定された人のメールアドレスや名前が表示されません。BCCは、大勢の受信者にメールを送信する際に、受信者間のメールアドレスを保護したい場合や、受信者間の関係を知られたくない場合に利用されます。
賃貸仲介業でいえば、以下のような使い分けが考えられます。
これはメールマナーではなくビジネスマナーになりますが、必ず上司や責任者をCC受信者として入れるように心がけてください。お客様のプライバシーに関するような内容になれば話は別ですが、基本的に社内で活用するメールのやりとりを独自で完結させることはリスクでしかありません。
また、CCに社内メンバーを入れておくことによって、大事な情報を共有することができます。自分が不在時であっても他の担当者がスムーズに対応することができるなど、得られるメリットは数多くあります。
返信メールは基本的に、あらかじめ決められた手順に沿って作成する必要があります。わかりやすいメールにするためにも、基本の手順を守って書くようにしましょう。ここからは、ビジネスメールの返信を書くときに守る手順について詳しく解説していきます。
件名は、このメールがどのような内容かを一目で判断してもらうために必要なものです。先ほど紹介したとおり、冒頭に「Re:」をつけて送ることが基本です。
メールの冒頭には、メールの印象を良くするために相手に対する挨拶が必須です。メールの印象が送信者の印象へとつながるため、礼儀正しく丁寧な挨拶を心がけましょう。お客様へのメール返信の場合は、連絡していただいたことに対する感謝の気持ちを伝えます。
また挨拶のあとは、自分の会社名と名前も忘れずに記載します。もし読みにくい名字であれば、振り仮名をつけておくと親切です。
ビジネスメールは簡潔で短い文章が求められます。冒頭でメールの主旨や結論を伝えることで、メールの内容を相手により理解していただけるようになります。
ビジネスメールを本文だけで終わらせてしまうと、そっけない印象を相手に与えてしまいます。手紙で「敬具」などと結ぶように、メールでも結びの言葉は重要です。結びの言葉にはクッション言葉のほか、丁寧な言い回しを使いながら相手への配慮を払うようにしましょう。
署名には、自分の会社名や名前、連絡先などといった重要な情報を知らせる名刺のような役割があります。メールの最後に署名をつけると相手との連絡がスムーズになるため、ビジネスメールには署名をつけるのがマストです。署名には、下記の情報を入れるのが基本です。
基本的に、上記の順番で記載しましょう。また、住所のところにアクセス情報を入れることもできます。
ここからは、不動産賃貸営業で実際に送るビジネスメールの返信例文をご紹介します。メールの返信に困ったときは、以下で紹介している例文を活用してみてください。
内見希望のお客様からのメッセージ:
◯◯の物件について内覧は可能でしょうか。
※下記の関連記事では賃貸仲介営業の担当者に向けて、問合せ対応業務の必要性や正しい対応方法について解説してますので、こちらもチェックしてみてください。
お取引先から日程調整のメッセージ:
◯◯の打ち合わせ日程に関して、5/10・5/12・5/13のいつがご都合よろしいでしょうか。
※下記の関連記事で日程調整メールの例文をまとめているのでチェックしてみてください。
設備に対するご質問:
◯◯の物件について、部屋に無料Wi-Fiはついていますでしょうか。
取引先からのお礼メッセージ:
先日は◯◯にて、貴重なお時間いただきありがとうございました。
※下記の関連記事でお礼メールの例文をまとめているのでチェックしてみてください。
入居者様からのクレーム:
隣人の騒音が我慢できません。
※下記の関連記事で謝罪メールの例文をまとめているのでチェックしてみてください。
ここからは、お客様や取引先を不快にさせないビジネスメールのコツを5つ紹介します。繰り返しますが、ビジネスメールは簡潔で読みやすい文章が求められます。この2つを頭に入れておき、読む人にとって負担にならないビジネスメールを書くようにしましょう。
比較的長くなりがちな本文は、結論を先に伝えて相手に内容をイメージさせることが重要です。結論・理由・事例・まとめの順番に沿ってメールを書くと、すっきりとわかりやすい文章になります。また件名についても、できるだけ一目で内容がわかるように簡潔な件名をつけるようにしましょう。
先ほどご紹介したように、ビジネスメールには決められた定型文というものがあります。慣れてくれば短時間で作れるようになるものの、新人の方であれば、手間や時間がかかってしまうので、事前に基本的な定型文を作っておくようにしましょう。多くのメールソフトには定型文を登録できる機能が備わっているため、メールを開いただけで定型文が表示されるように設定しておくと便利です。
以下の文章を見比べたとき、どちらが簡潔で読みやすいでしょうか。
A:明日のお打ち合わせについて5月10日(火)10:00〜11:00に弊社ビル3階オフィスAにてよろしくお願いいたします。弊社側からは私田中のほか、山田、佐藤が同席いたします。
B:明日のお打ち合わせにつきまして、詳細をご連絡いたします。
上記のような箇条書きにすることで、必要な情報が明確に区切られ一目でわかりやすい内容になります。日時や場所といった重要な情報は、箇条書きを活用してわかりやすく伝えましょう。
メールの機能を使うことで、文字の装飾が簡単にできるようになります。期日や金額などの大事な情報は太字や大文字、色文字を活用してほかの情報との差別化を図りましょう。
しかし、目立つ文字が多すぎるとかえってどれを目立たせたいかがわからなくなります。装飾文字を活用する場合は、本当に重要な箇所だけを選んで装飾することが重要です。
視覚的に読みやすいメールにするために、以下の記号を活用することもコツの1つです。
箇条書きの先頭→■・◇・▼
区切りのポイント→***・—
引用部分→>
上記のように、特定の箇所に合わせて使うことで、ビジネスメールがよりわかりやすくなります。しかし、機種依存文字を使うとパソコンによっては文字化けを起こしてしまう可能性もあるため、使う記号はあらかじめ確認しておくようにしましょう。
メールの本文に文字で説明するだけでは、十分に伝わらないことが多々あります。そのときは、添付ファイルをつけたり、本文中に画像を挿入したりするなど工夫して伝えると良いでしょう。
なお、添付ファイルは非常に便利な機能ですが、注意事項として以下のようなことが考えられます。
ビジネスメールの基本的なマナーやルールは、多くの社会人にとって必要な知識です。特に顔が見えないメールの場合、文章の内容や見せ方で送る人の印象が決まってしまうため、最低限のルールは覚えておく必要があります。大事なお客様に好印象を与えるためにも、今回ご紹介したポイントを押さえて正しいビジネスメールの送り方をマスターしてみてください。
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