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国土交通省発表!「不動産情報ライブラリ」とは?~現場ですぐ使える活用方法~

記事公開日:2024/09/19

最終更新日:2024/09/19

賃貸営業において、物件の最新情報を迅速かつ正確に把握することは非常に重要です。

しかし、賃料相場、周辺施設、都市計画、防災リスクなどの必要なデータを複数のサイトで個別に調べるのは時間がかかり、手間も増えてしまいます。賃貸営業担当者にとって、このような作業の煩雑さは業務効率を低下させる大きな要因です。

しかし、国土交通省が提供する「不動産情報ライブラリ」を活用すれば、すべての情報を一元的に管理でき、現場で効率よく活用することが可能です。

今回は、賃貸営業の現場で「不動産情報ライブラリ」を活用する具体的な方法を解説します。賃貸物件の提案や調査をスムーズに進めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

国土交通省が発表した「不動産情報ライブラリ」の概要

「不動産情報ライブラリ」は、国土交通省が提供するWebGIS(インターネット上で利用可能な地理情報システムのこと)で、不動産取引の現場で必要な情報を集約して閲覧できるツールです。

令和6年4月1日から「不動産取引価格情報検索」が「不動産情報ライブラリ」に統合され、1つのプラットフォームで取引価格、周辺施設、防災情報、都市計画情報などを重ね合わせて確認できるようになりました。

従来の「土地総合情報システム」で提供されていた地価公示や都道府県地価調査などに加え、「不動産取引価格情報」や「成約価格情報」といった詳細な取引価格データも、「不動産情報ライブラリ」で確認することが可能です。

特に賃貸仲介の現場では、周辺の公共施設や交通アクセス、ハザードマップ上の災害リスクといった要素を迅速に確認し、物件提案に活用することが重要です。またこのツールを使うことで、地価や取引価格を参考に、物件の市場価値や賃料設定を顧客に根拠を持って説明できるようになります。

加えて「不動産情報ライブラリ」にはAPI機能(異なるソフトウェア同士が情報をやり取りするための「窓口」のようなもの)があり、賃貸管理システムや顧客管理システムとデータを連携させることができます。これにより、データを自動で更新し最新情報を常に活用することができるため、効率的な営業活動が可能です。

「不動産情報ライブラリ」は、賃貸営業の現場において、物件提案の信頼性を高め、スムーズな顧客対応を実現するための強力なサポートツールです。最新のデータに簡単にアクセスし、顧客に的確な情報を提供することで、成約率や顧客満足度の向上に大いに役立つでしょう。

参照:国土交通省|不動産情報ライブラリ

【不動産会社目線】不動産情報ライブラリの便利な点・活用ポイント

賃貸仲介営業に従事する方にとって、「不動産情報ライブラリ」は業務の効率化と顧客への信頼性の高い提案を実現するための便利なツールです。ここでは、賃貸営業で「不動産情報ライブラリ」を活用する際の3つの便利な点や活用ポイントを解説します。

①地図上で複数の情報を一括で確認できる

不動産情報ライブラリの最大の特徴は、地図上に複数のデータを重ね合わせて表示できる機能です。この機能により、物件の位置情報とともに、周辺施設(学校、病院、商業施設など)、交通アクセス、防災リスク(洪水、津波浸水想定区域など)、都市計画情報を一括して確認することができます。

例えば、物件の近くにどんな公共施設があるか、最寄り駅までの距離を確認しながら、同時に災害リスクもその場で把握できるため、顧客に対してわかりやすく、信頼性の高い物件提案ができます。

総合的な情報提供により、顧客はより安心して物件を選べるため、成約率の向上につながります。

②多様な不動産関連情報を無料で利用できる

「不動産情報ライブラリ」では、賃貸物件の提案に必要な様々なデータを無料で提供しています。

従来、不動産業者が賃料相場や防災情報、周辺施設などのデータを集めるためには、複数の異なるサイトやデータベースを利用する必要がありましたが、このライブラリを使うことで、以下の情報をワンステップで取得できるため、業務が効率的になります。

・地価公示

・成約価格

・防災情報(洪水、地震リスクなど)

・都市計画

上記のように、賃貸物件の価値や安全性を評価するためのデータがすべて揃っており、これらの情報を無料で活用できるのは大きなメリットです。

コストを削減できるだけでなく、必要な情報に即座にアクセスできるため、顧客対応が迅速になり、業務全体のスピードアップが期待できます。

③スマートフォンから簡単にアクセスできる

「不動産情報ライブラリ」は、スマートフォンから簡単にアクセスできるため、現場や移動中でも非常に便利です。

顧客との内見中や商談の場で、すぐに物件周辺の情報やリスクを確認し、リアルタイムで提案を行うことができます。これにより、意思決定のスピードが飛躍的に向上し、よりスムーズな取引が可能です。

例えば現地で物件を内見している最中に、顧客から「このエリアの賃料相場はどうですか?」といった質問があれば、その場で物件の取引価格や地価公示を確認し、それを基におおよその賃料相場を推測して提案できます。

また、物件が災害リスクの低いエリアに位置しているかをその場で調べ、顧客に安心感を提供することも可能です。このようにスマートフォンやタブレットで素早く情報を確認できる機能は、営業現場での強力な武器となります。

【不動産会社目線】不動産情報ライブラリの活用事例

「不動産情報ライブラリ」は、賃貸仲介の業務において有効なツールです。ここでは、賃貸仲介の現場での具体的な活用事例を2つ解説します。

賃貸仲介における活用事例① 学区の検索が簡単にできる

家族で引っ越しを検討している顧客にとって、子どもの通う学校の学区は物件選びにおける重要な要素です。「不動産情報ライブラリ」を活用することで、物件がどの学区に属しているのかを迅速に確認できるため、顧客に対して的確な情報を素早く提供できます。

例えば、顧客が特定の学校に近い物件を希望する場合、その周辺物件を地図上でピンポイントに検索し、すぐに提案可能です。別のシステムやサイトで学区を調べる手間が省けて「ワンステップ」で確認できるため、物件提案までのスピードが向上します。

また、学区の境界線を明確に示すことができるため、物件がどの学校に属するのか曖昧な場合でも正確に伝えられ、顧客の不安を取り除くことができます。特に、教育環境を重視する顧客にとって、学区情報を正確かつ迅速に提供することは、物件選びの重要な決め手となるでしょう。

賃貸仲介における活用事例② ハザードマップの活用で安心感を提供

「不動産情報ライブラリ」では、ハザードマップを簡単に表示でき、物件が災害リスクにあるかどうかをすぐに確認できます。特に、災害リスクを気にする顧客に対して、物件の安全性を説明する際に非常に効果的です。

例えば「洪水浸水想定区域」や「土砂災害警戒区域」にある物件を調べ、リスクがある場合には事前に顧客へしっかり説明できます。リスクが低い物件を提案する場合は、ハザードマップでそのエリアの安全性を証明することで、安心して物件を選んでもらうことが可能です。

また、地震や津波といった他の災害リスクも含めて視覚的に説明できるため、顧客は物件の選択に対してより安心感を持ちやすくなります。リスクを具体的に伝えることで、顧客との信頼関係を築くことができ、契約後のトラブル防止にもつながります。

国土交通省「不動産情報ライブラリ」まとめ

「不動産情報ライブラリ」は、賃貸営業に従事する方が日々の業務で必要な情報を一元化し、無料で利用できる便利なツールです。スマートフォンからも簡単にアクセスできるため、物件の内見時や顧客との商談中にも、周辺環境や防災情報をその場で確認し、迅速に提案できます。

このツールをうまく使いこなせば、物件の周辺施設や災害リスクなどを多角的に説明し、顧客に物件の魅力をよりわかりやすく伝えられるようになります。「不動産情報ライブラリ」を活用して、賃貸営業の業務効率化と顧客満足度の向上を目指しましょう。

参照:国土交通省|不動産情報ライブラリ

不動産ライター 岩井 佑樹

合同会社ゆう不動産/岩井 佑樹

この記事を書いた人

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■現在の職業/肩書き/資格など
不動産会社経営/代表/宅建士

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