エピソード

首都圏で20年以上の実績!!オーナー様本位で躍進し続ける管理会社の「中の人」に話を伺ってみた

記事公開日:2023/05/29

最終更新日:2024/01/11

管理戸数7,000戸以上!多種多様な取り組みとオーナー様本位で躍進し続ける管理会社の「中の人」に話を伺ってみたのアイキャッチ画像

多くの賃貸仲介会社様が安定した収益を求めて管理物件獲得に力をいれています。ただし比較的小規模な店舗様の場合、「賃貸仲介も」「売買も」となると、「なかなか手が回らない」ということも多いようです。

今回は、都内で管理戸数7,000戸以上、株式会社アートアベニュー プロパティマネジメント事業部長 片平さんをお招きし、管理会社が「どのようなことをしているのか」「オーナー様へのアプローチ方法」など、「あれこれ」お伺いいたしました。

アートアベニューにとっての管理業とは?

プロパティマネジメント事業部長 片平さんにお話を伺いました

片平さんはじめまして!本日はよろしくお願いいたします。

よろしくお願いいたします

簡単にご経歴をお教えください。

今年40歳で出身は北海道の札幌市です。アルバイト先に就職したので、社会人スタートは飲食業からとなります。このあと、広告の営業や流通卸売ベンチャーを経て、29歳でアートアベニューに就職しました。

経歴にバリエーションがありますね!不動産業の入り口が管理会社で、今に至っているわけですね。
 

そうなんですよ。そもそも管理会社というものを全く知らなくて 笑。

普通に家を借りてると管理会社の存在って気付かないじゃないですか?私も不動産業っていうと、町にある仲介店舗とか、あとは家を売り買いする看板の大きい会社のイメージしかなかったので、正直はじめは良く知らなかったんです。

縁あってアートアベニューの面接を受けることになった際、事前にホームページを観たのですが、その時に全賃(全国賃貸住宅新聞)に社長が記事を書いているという記載があって。

読んでみたら「我々はオーナー様の収益を最大化するのがミッションだ」「オーナー様の利益に相反することは我々はやらない」って書いてたんですよ。

「そんな綺麗ごと言って会社は成り立つのかなぁ…」と疑問に思って..。それで「どんな会社なのかな?」と興味を持って面接を受けた という思い出があります。

「管理の基本」あっての「コンサルティング」

そういういきさつだったのですね。ありがとうございます。
管理業について聞きたいのですが、具体的にどういうことをされていますか?

ピンからキリまでありますけど、一番ベースになっているのは客付けですよね。直接の客付けはしていませんが、一緒にやっていただける仲介会社様に協力していただき、空室期間を極力減らすために尽力する。これが一つ目。

こっからが管理っぽい話なんですが、二つ目は設備の管理やメンテナンス、退去後のリフォームや清掃をする「管理業務」です。清掃等については清掃会社に委託して、状況の管理をしています。

あとは、こちらも委託していますがビルメンテナンスや法定点検などもありあす。それがメインで更新業務や家賃の送金等もあります。

なるほど!その名の通り、管理する業務がメインで重要ってことですね。

そうです。ベースにあるのがそういった「管理業務」で、その上にオーナー様への「コンサルティング業務」があります。

例えば「リノベーションしたらこのくらい収入があがりそうですよ」とか、「ビルメンテナンスや法定点検の内容を変えればもっとお金が儲かりますよ」とか、「そろそろ売却はどうですか?建て替えしませんか?」等々、オーナー様への提案業務がベースである「管理業務」の上に乗っているイメージです。

「オーナー様の収益最大化」が最優先

「管理業務」がベースにくるんですね。少し気になったのが「売却しませんか?」って提案しちゃうんですか?管理が終わっちゃうってことになりますよね。
 

します。会社のコンセプトが「オーナー様の収益の最大化」なので、持ってても収益が最大化されない物件については売却したり、建て替えた方が良い場合もあるかと思います。それをオーナー様の立場になって一緒に考えたときに、「これがベストだ」と思えば言っちゃいます。

なにかしら課題があるのに「何もしない・言わない」となると、それは「オーナー様の収益を最大化」していることにはなりませんからね。

面白いですね。ちなみに「持っててもしょうがない」というのはかなり築年数が経っていて、家賃もそんなにとれないよ!って物件を抱えていることですか?
 

そうですね。

築年数が経っていて客付けしにくい物件もあるし、客付けできてもお金が儲かっていないって物件もあるんですよ。高く買っちゃって、コストがかかるとか…「いくら手元に残ってるの?」ってのが大事ですよね。

色々な話をオーナー様としながら「収支どうなんですか?」なんて話をすると、「全然儲かってないんだよね、修理ばっかりかかっちゃって……」なんて話になったら、「売却はいかがですか?今だといくらぐらいで…」という会話をします。中身としてはこんな感じです。
 
おそらく今はどこの管理会社も、仲介店舗で管理を強化したい方もそうだと思うんですが、「どうやったら物件がもっと良くなるか」という”オーナー様への提案力”を重視している流れになっている気がしますね。多くの管理会社が、そのあたりを磨いているんじゃないでしょうか。

以前はそうではなかったんですか?
 

やってる方は元々いたと思うんですが、よりオーナー様への提案が必要な風潮になってきていると思います。

以前は部屋の契約を決めたら「部屋決めたんで管理もうちに任せてください」という提案をすることが仲介の現場でもあったと思うんです。いわゆる”一般媒介”でオーナー様が部屋決めて「自主管理じゃなく委託管理でください」というパターンです。
 
このスタイルが王道だと思ってたんですけど、だんだん委託管理するオーナー様と自主管理のままいくオーナー様がはっきりしてきちゃって。必ずしも部屋決めたからって管理させてもらえるわけじゃないので。

そうすると部屋決めるに加えて、他の要素をいれていく。例えば「最近流行っている大規模修繕やリノベーションはいかがですか?」という提案や、「相続対策の提案」をすることも多いです。相続を扱う不動産プレイヤーって最近多くなっている印象です。「資産最適化」という形で提案できることを目指している流れは年々強くなってきていると思いますね。

そうなんですね~。より管理する会社がアップデートしていかないと潮流には乗れない感じでしょうか?

その通りです。

ただコンサルができても、客付けや現場の清掃も含めて管理ができていないとそもそも不動産管理の意味がないので。

客付けと現場管理というあくまで”ベース”があったうえで、「オーナー様への提案」という2階建ての部分があるイメージです。両方が上手くいっていないといけないんだなぁと最近実感しています。

基礎の部分が大事ってことですね!

社歴も長くなってきてコンサルの仕事が増えてきているんですけど、なんだかんだ現地にすぐ駆けつけて、”ゴミの放置”や”外壁が壊れている”など、そういうものの対応を迅速にやるっていう”基本的な管理”が、私たちに期待されているとこだと思います。

いくら頭よくなってコンサルの話をしても「まず部屋決めてから言ってください」という話になりますよね 笑。
 
自分たちの会社への戒めって意味で、基本もやって、アセットマネジメント・コンサルもして という両方をちゃんと回してかないとお客様に喜んでもらえないなと思ってますね。

貴社のHPを見ていると、片平様がYouTubeで定期的にセミナーをやっていますよね。あれもコンサルタントの一環ですか?

セミナーは毎月1回程度でやろうと思ってます。テーマは特に決めていません。空室対策のセミナーやオーナー様の損害保険、大規模修繕・リノベ、相続などその時その時で不動産経営に関することならなんでもやってます。

セミナーのジャンルなどは決めずに、オーナー様のためになることならなんでもするというイメージですね!ちなみに管理会社ってどうやってオーナー様と接点を持つんですか?

そうですね~管理会社によっていろんなやり方があると思います。

例えば私たちはエリアは絞ってないですけど、地元がある会社さんとかは地元でのブランディングをまずは徹底するんじゃないかな~と思います。セミナーをやるっていうのもそういう理由があります。

この会社になら相談しても、ちゃんとした答えが返ってきそうだなというイメージを持っていただけるよう情報発信する。建築とか売買含めて色々情報発信することで差別化できると思います。

営業的なこともしたりしますよ。本当様々ですね。

なるほど。ありがとうございます。大事にしていることとして、まずは”基本的な管理業務”が大事、その上でセミナー等コンサルティング業務で”付加価値”を提供し、プラス営業的な側面も併せてオーナー様接点を持っていく…ということでしょうか?
 

綺麗にまとめてくれてありがとうございます。その中でも特に大事にしていることは、オーナー様が「やりたくない」っていうことや、面倒なこと、時間をとられてしまうことをオーナー様に代わってやっている仕事だと思ってるんです。

なので、なるべくオーナー様が「面倒だな。嫌だな」って気持ちを取り除くにはどうしたらいいかを考えなきゃいけないと思ってますね。クレーム対策とかって嫌じゃないですか(笑)

クレームって結構あるんですね。

ありますよ。入居者同士のトラブルや「漏水しちゃってホテル用意しろ!」なんて結構あります。

エアコンや冬の給湯器設備のトラブル、入居者同士のトラブル、日常的にちょこちょこ起きています。そういうことを含めて「面倒な事を吸収できる」。それが管理の基本的な要件なのかなと思ってますけどね。

管理業の魅力や面白さ

管理業やってて驚いたこと

今まで管理業を11年間してきた中で、驚いたことなど記憶に残ってることはありますか?

驚いていることは結構ありますね。現場ではいろんな珍事件みたいのが起きますので、”対応のバリエーション”が身につくのは面白いです。

具体的な話でいうと、おばけ出る系は結構あります。私おばけは信じてないんですけど、入居者さんから「出る」と言われて。夜に現地で張り込み調査じゃないですが、見に行ったりはしました 笑。

「上の階に誰も住んでないのに叩いてくる」「決まってお盆に出る」とか言われるんですよ。「怖っ!!」と思って行ったら”ウォーターハンマー現象”っていう水道をぎゅっと閉めると、配管から音が鳴るという現象でした。

なぜお盆だけそうなるかっていうと、その方が海外出張が多くお盆だけ帰ってくるからという理由だったんですね 笑。

それ面白いですね!! 原因が判明して良かったです。

凄いオーナー様に出会うことも多い

おふざけの話ではないところで言うと、「この方すごいな~」って思えるオーナー様にも会ったりしましたね。

ボロボロになっている物件を大規模修繕とかリノベーションで”物件の再生”をしていた時期がありまして、その際に会ったオーナー様が頭がキレッキレで。

50%しか稼働していなかった物件を家賃を上げて満室にするという。それで最後オーナー様はその物件を売却していたんですけど、買った時から比べたら倍以上で売れて 笑。

まったく需要がないエリアだとそもそも意味はありませんが、せっかくエリアに需要があるのに、うまく物件をニーズに合わせられていない物件ってたまにあるんですよ。都心のボロボロの空き家とかもですね。草生えて、外壁はがれているとか…。

そういう物件を綺麗にすると相場の賃料でお客様が付くじゃないですか。手を掛けたら需要がある物件では?という話前提ですけど、見ててすごいなと思いました。

色気ある物件とは

「この物件に手加えたら絶対に化ける」などの嗅覚があるんですね!

色々な条件ありますね~立地とか。私はエントランスみて「この物件美人だな」とか言っているんですけど…。

美人??どういう意味ですか?

”色気のある物件”というんですかね 笑。

エントランスは物件の顔だと思っているんですけど、「今はメンテナンスしていないからボロボロだけど、もともと美人じゃないか!」みたいなものですね。

「これちゃんとお化粧したらモテるんじゃないの?」みたいなことをですね、私は初めて物件見に行くときは、異性を見に行く気持ちでエントランスを見ています 笑。

高校で化けるめがね女子みたいなものですかね…。

そうですね 笑。原石というか…”物件再生”ってそんな感じですよね。

めちゃくちゃ向いている仕事なんですね!

向いているかは置いといて、興味を持てるのはラッキーですよね。建物をみて興奮するというのは 笑。街中歩いているときでも物件は見ちゃいますよね。

これからの管理業について

最後なんですが、「これからの管理業について」思うところだったり、見解をお聞きしてもよろしいでしょうか。
 

「管理業がどうなっていく」みたいな大きな話は、私は分からないので何とも言えないですけど…人口ってどんどん減少していくらしいじゃないですか。”一人暮らし世帯”が増えて世帯数は伸びてますけど、東京ですら世帯数は減っていくわけじゃないですか。

相続関係でアパート建てたりして供給があるにはある。”空き家問題”とか最近ニュースで言われてますけど、長期的な目でみれば、”決まる物件””決まらない物件”の差がどんどん広がる思います。

仲介でお部屋を決めている方々ももちろんそうですし、オーナー様に管理を任されている私たちも同じですけど、「ちゃんと決まる物件」にすること。お客様が入ってくれるように物件の価値を維持したり、向上させるってことはより重要になると思っています。

先ほどお話していた”オーナー様への提案力”で物件の価値を向上するお手伝いをするんですね!

そうですね。あとは昔のオーナー様って地主さんってイメージが強かったですけど、地主さんも息子さんに代替わりしていくってのが結構多くて。息子さんはサラリーマンをしていて投資の判断が鋭い方がだんだん増えてきたり、地主さんじゃなくても”サラリーマン大家さん”って増えてきたじゃないですか。

割と投資の話をするにしても、理論的な根拠を持って説明をしないとなかなか承諾がとれなかったり、ただ掃除したり、募集だしているだけだと、「ちゃんと仕事をしている」って言われなくて。なぜ決まらないのか競合・市場の分析をして、リノベするなら”費用対効果”を示して~など、オーナー様が管理会社に求める質が高くなっていく気がするんですね。

先述した通り、市場環境としては物件の”決まる””決まらない”にはっきり差が出てくるから物件の管理をしっかりしないといけません。またオーナー様も根拠を持って説明しないとお金出してくれない人が多いです。管理会社側が根拠や理屈を持って、「こういう風にするべきだ!」という提案をできるようにならないといけなんだろうな。と感じていますね。

そうですよね。特に今は手元のスマホでなんでも調べられるから「うちの物件はこのままで良いのだろうか…」というような漠然とした不安とか、「良いアイディアってないかな?」を求めたり…そういう傾向はあるんでしょうね。

インターネットで情報格差が無くなっていますからね。オーナー様も物の値段等ネットで調べればすぐわかるでしょうし。なのできちんと情報提供をしていかないと…「知識や経験だけで!!」というわけにはいかないんでしょうね~これからは。

確かにその通りですね。とても有意義な話を聞けました!

本日は”オーナー様本位”で躍進し続ける株式会社アートアベニューのプロパティマネジメント事業部長片平さんでした。ありがとうございました。

■株式会社アートアベニュー■

〒163-0818
東京都新宿区西新宿2-4-1
新宿NSビル18F
TEL:03-5339-0551
営業時間:10:00~17:30
(定休日:年末年始・夏季休暇)

なかそね

なかそね

この記事を書いた人

沖縄県出身。宅地建物取引士で2児(双子)の父。引越し好きが高じて住宅会社の営業マンになったり、たくさん転勤したり、結果CHINTAIに入社したり…という半生です。
今までの経験活かしつつ、現在はCHINTAI JOURNAL編集部で主に活動しています。

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