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【2025年不動産賃貸トレンド大予測】知っておくと差がつく!設備ニーズや集客戦略【最新版】

記事公開日:2025/01/06

最終更新日:2024/12/23

不動産賃貸トレンド大予想

アフターコロナ時代の新しい生活スタイルが定着する中、住まい選びの価値観にも大きな変化が表れています。この変化は賃貸仲介の現場に新たな課題をもたらす一方で、より質の高いサービスを提供できるチャンスでもあります。

この記事では「2025年の不動産市場を見据えた賃貸営業戦略」として、明日からの実務に活かせる情報をお届けします。

最新トレンドを押さえた営業トーク例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください!

2024年の不動産賃貸市場をおさらい

2024年の賃貸市場では、テレワークの定着や動画配信サービスの利用増加を背景に、高速インターネット回線へのニーズが一段と高まりました。快適なネット環境は、今や住まい選びの重要な判断材料と言えます。

また光熱費の上昇を受けて、省エネ性能を重視する傾向も強まっています。LED照明やハイブリッド給湯器、断熱窓サッシなど、光熱費削減につながる設備がファミリー世帯を中心に支持を集めました。

2025年の賃貸市場の見通しとビジネスチャンス

2025年の賃貸市場は、新たな法改正の影響も加わり、さらなる変化が予想されます。

その1つが、2025年4月に施行される「育児・介護休業法」の改正です。この改正により、企業はテレワークや時差出勤など、子育て世帯向けの柔軟な働き方を整備することが求められます。こうした働き方改革の進展は、住まい選びの基準にも大きな影響を与えるでしょう。

また若者を中心に、TVerやNetflixなどの動画配信サービスの利用拡大が続いており、「好きな動画を、好きな時間に楽しむ」というライフスタイルが当たり前になりつつあります。これらの状況を踏まえると、2025年以降も高速インターネット回線に対する高いニーズが予測されます。

さらに、宅配ボックスなどの非対面型設備の需要やスマートホーム機能など、生活の質を高める設備にも注目が集まっています。

これからの賃貸仲介の現場では、多様化する入居者ニーズや新しいライフスタイルに寄り添った提案が求められるでしょう。

差別化で勝つ!2025年トレンド設備提案

賃貸物件の設備は、入居者のライフスタイルの変化に合わせて日々進化しています。

ここからは「2025年特に注目すべき4つの設備」について、物件の魅力を効果的に伝えるポイントとともに解説します。

1. テレワーカー向けの提案で新規開拓

テレワークの定着により、快適な書斎やワークスペース付きの物件への需要が高まっています。物件選びの決め手として特に注目されているのが、以下の設備です。

● 高速インターネット回線
● 防音性能
● 生活スペースとの分断
● 充実した電源コンセント

上記は、在宅ワーカーの作業効率を大きく左右する要素です。内見客が作業環境をイメージできるよう、各設備の活用方法を丁寧に説明しましょう。

特にファミリー向け物件の場合は、防音性能や生活スペースとの分断など「集中できる環境づくり」といった観点からのアピールが効果的です。

内見客への提案トーク例

こちらの物件は、テレワークに適した設計となっています。
壁には防音材を使用しているため、隣室の音が気になりにくく、仕事に集中できます。
また、各壁面に2口コンセントが備わっており、デスクレイアウトも自由自在です。

2. スマートホーム提案で成約率アップ

最近では、スマートホームに対応した物件への関心が高まっています。スマートホームとは、以下のような住宅設備をインターネットに接続し、スマートフォンで簡単に操作できる機能のことです。

● 玄関の鍵
● テレビドアホン
● 照明器具
● エアコン
● 見守りカメラ

内見時のポイントは、日常生活を想定した活用例を提案することです。その際、スマートフォンの操作画面を見せながら説明することで、使いやすさや利便性をアピールできます。

内見客への提案トーク例

このスマートホーム機能により、帰宅時間に合わせて照明やエアコンの操作、お風呂の準備まで自動で行えます。
また、鍵を閉め忘れて家を出てしまった時でもスマートフォンからワンタップで施錠できるので、セキュリティ面も安心です。

3. 省エネ設備で他物件と差別化

近年の電気代高騰により、以下のような省エネ性能の高い設備が物件選びの判断基準となっています。

● 次世代省エネエアコン
● ハイブリッド給湯器
● LED照明
● 高断熱窓

省エネ設備の導入効果は、具体的な数値で示しましょう。特にランニングコストに敏感なファミリー層には、月単位や年単位での節約額をアピールすることで、より説得力のある提案が可能になります。

内見客への提案トーク例

このハイブリッド給湯器は、従来型と比べてガス代が約40%削減可能です。
さらにLED照明と省エネエアコンの効果により、月々の光熱費が2,000~3,000円程度お得になり、実質的な家賃負担の軽減につながります。

4. ペット可物件でニーズに対応

今や犬猫の飼育総数は15歳未満の子供の出生数を上回っており、4世帯に1世帯が犬または猫を飼育している状況です。こうした中「ペットは家族の一員」という意識の高まりもあり、2025年以降もペット可物件へのニーズは継続すると予想されます。

実際、駅から徒歩20分といった不利な立地でも、ペット可という強みを活かすことで高い入居率を維持している物件も少なくありません。内見時はペット用設備についてだけでなく、近隣のドッグランや動物病院などの情報も提供すると喜ばれますよ。

内見客への提案トーク例

こちらはペット可物件となっており、床材には傷つきにくく、ペットの足にも負担がかからない特殊コーティングを施しています。
共用部分にはペット用の洗い場が設けられており、お散歩後の汚れを洗い流すのにとても便利ですよ。
また、徒歩10分圏内に夜間対応可能な動物病院もあるので、万が一の際も安心です。

2025年の賃貸営業で押さえるべき3つの課題

2025年の賃貸市場では、これまでご紹介した設備面でのトレンドに加え、新たな課題への対応が求められます。特に重要な3つの課題とその対応方法について、詳しく見ていきましょう。

課題1. 家賃の増額交渉

家賃相場が年々上昇傾向にある中、オーナーの意向を受けて家賃増額の交渉を担うケースも増えてきています。しかし「相場が上がっているから」という漠然とした説明では、入居者は納得してくれません。

交渉をスムーズに進めるためには、家賃増額の根拠を示しながら説明を行うのがポイントです。特に以下の3点は、家賃増額の正当な要因としてよく見られます。

● 維持管理費用の上昇
● 修繕・リフォーム費用の上昇
● 固定資産税の上昇

それぞれの項目について、詳しく説明します。

維持管理費用の上昇

清掃・設備点検等の人件費上昇や、共用部分の光熱費高騰により、建物の維持管理コストは年々増加傾向にあります。

例えば「共用部の電気代が前年比◯%上昇」「共用廊下やエントランスの清掃費用が3年前と比べて◯%増加」といった状況について、丁寧に説明しましょう。維持管理費用は入居者の生活に直結する要素なので、数字を用いた客観的な説明が効果的です。

修繕・リフォーム費用の上昇

建築資材の価格高騰や職人不足により、修繕・リフォーム費用は年々上昇傾向にあります。特に築年数が経過した物件では、設備の更新や外壁の補修等のメンテナンスが欠かせません。

実施済みの修繕内容や今後の計画を具体的に示し、「快適な住環境を維持するための必要経費である」という点を理解してもらえるよう努めましょう。

固定資産税の上昇

近年の地価上昇に伴い、特に都市部では固定資産税が上昇傾向にあります。固定資産税の増額は家賃を値上げする正当事由ですが、入居者にはイメージしづらい要因でもあるため、透明性の高い説明が求められます。

また、必要に応じて近隣物件の家賃相場との比較も示します。
例えば「徒歩10分圏内の1Kマンションの平均賃料は8.6万円ですが、当物件は増額後でも8.3万円と、依然として割安な水準です」といった説明が有効です。

尚、家賃増額が決まった場合は、口頭だけでなく書面化して伝える必要があります。告知時期について法的な決まりはありませんが、入居者が退去するか住み続けるか検討する期間として、2 〜3ヶ月前を目安に行いましょう。

課題2. 外国籍入居者への対応

総務省の調査によると、2023年の外国籍住民の人口は前年から32万9,535人増加。対前年の増減率も約11%プラスと、調査開始以来最高値を記録しました。

参考:総務省「住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数のポイント(令和6年1月1日現在

こうした変化に対応するため、賃貸仲介の現場でも以下のような対応が重要になってきています。

● 多言語対応
● ルールの事前共有
● 緊急連絡先の確認

具体的な施策や実施のポイントについて、詳しく見ていきましょう。

多言語対応

外国籍入居者の増加に伴い、賃貸仲介の現場でも多言語での対応を求められる場面が増えてきています。

とはいえ、慣れない言語での対応は誤解や行き違いを生む可能性もあるため、スマートフォンの翻訳アプリを活用したり、多言語対応可能な不動産会社との連携を検討したりするのも有効な手段です。

また、国土交通省が公開している「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」の活用もおすすめです。このガイドラインは、英語や中国語をはじめとする14カ国語で作成されており、契約時に役立つチェックシートや、入居申込書の見本等が掲載されています。

日本で部屋探しをする外国人の方へ向けた「部屋探しのガイドブック」も公開されていますので、併せて活用してみてください。

参考:国土交通省「外国人の民間賃貸住宅への円滑な入居について

ルールの事前共有

日本特有の生活ルールや習慣については、誤解が生じないよう事前説明を丁寧に行います。特に重要なゴミの分別方法については、写真に多言語での注意喚起を添えておきましょう。

共用部の使用方法についても、図解やイラストを交えながら視覚的に説明するのがポイントです。写真やイラストを使用することで、言語に頼らないルール共有が可能となり、入居後のトラブル防止にもつながります。

緊急連絡先の確認

外国籍入居者との契約においては、緊急時の連絡体制を整備しておくことが重要です。緊急連絡先は、日本での滞在歴が長く日本語でのコミュニケーションが可能であることを事前に確認しておきましょう。

課題3. デジタル技術を活用した営業戦略

デジタル技術の進化により、以下のようなオンラインツールが、サービス向上の新たな可能性を広げています。

● オンライン内見の対応
● IT重説の導入

業務効率化だけでなく、顧客満足度アップにもつながる重要な課題ですので、しっかり押さえておきましょう。

オンライン内見の対応

オンライン内見の最大の特徴は、繁忙期でも柔軟な対応が可能な点です。動画コンテンツや360度ビューなどの視覚的要素を効果的に活用することで、現地へ足を運ばなくても物件の魅力を十分に伝えることができます。

IT重説の導入

IT重説の導入により、遠方のお客様への対応やスケジュール調整がしやすくなります。また説明内容を映像で記録できるため、後のトラブル防止につながる点も大きなメリットです。

このように、賃貸営業の現場では日々新たな課題に直面していますが、一つひとつ丁寧に向き合い、適切な対応策を講じることで、解決の糸口が見えてきます。

【2025年の賃貸市場】変化をチャンスに変えていこう!

2025年の賃貸市場は、テレワーク需要の定着やスマートホーム機能の進化など、入居者のライフスタイルの変化を強く反映したものとなるでしょう。特に4月からの育児・介護休業法改正は、子育て世帯の住まい選びに大きな影響を与えることが予想されます。

入居者のライフスタイルが多様化する中、賃貸仲介の現場には、市場動向を素早く把握し、入居者一人ひとりの暮らしに寄り添った対応が求められています。

今回紹介した内見対応時のポイントやトーク例を参考に、入居者のニーズに応える提案力を磨いていきましょう!

泉 正孝

この記事を書いた人

ウェブスタジオイズミ代表。宅地建物取引士・マンション管理士・管理業務主任者・相続マイスター。東京都在住。大学卒業後、電鉄系総合不動産会社に入社し、不動産仲介事業部に所属。

不動産業界歴10年以上、ライター歴7年以上、サイト運営歴9年以上の経験を活かし、ライター兼ディレクター、SEOコンサルタントとして活動中。「住宅ローン・相続・税金・保険・資産運用」など、実体験に基づく記事を1900本以上執筆。SEO上位獲得多数。専門家として1次情報とエビデンスを重視し、読者目線の執筆を心がけている。

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