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問合せ対応に悩む営業担当必見!電話・メールの対応のコツを解説

記事公開日:2021/12/16

最終更新日:2023/11/16

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賃貸仲介営業を行ううえで、正しい問合せ対応の方法に悩まれている方も多いのではないでしょうか。問合せ対応の経験が少ない場合、悩まれてしまうのも無理はありません。とりわけ、最近はポータルサイトやホームページからの反響においても、電話番号の記載がなくメールアドレスのみというケースが増えています。
そこで今回は、賃貸仲介営業の担当者に向けて、問合せ対応業務の必要性や正しい対応方法について解説します。また、電話対応やメール対応の際に便利なテンプレートもあわせて紹介していきますので、他業種の営業パーソンもぜひ参考にしてください。

※下記の関連記事では反響営業に求められるスキル・考え方・対応などをまとめてますのでこちらもチェックしてみてください。

目次

問合せ対応(メール・電話)の重要性

企業にとって問合せ対応が重要であることは周知の事実でしょう。しかし、そもそも問合せ対応はなぜ重要といわれているのでしょうか。まずは、問合せ対応に力を入れることでどのような効果があるのかを確認しておきましょう。

重要な理由①顧客満足度の向上

他社よりも気持ちの良いやり取りができれば、それだけで他社との差別化が図れます。質の高い対応ができれば顧客満足度の向上につながり、リピーターの増加も見込めるでしょう。

重要な理由②企業のブランド力・信用度の向上

問合せ対応の質が高い企業に対して、ブランド力の高さを感じる方は多いです。また、レスポンスが早く正確な回答ができれば、信用できる企業として認識してもらえる可能性も高くなるでしょう。

お客様が企業や店舗に対して問合せをするタイミングとは、すなわちお客様と企業との出会いのタイミングと表現することもできます。初めてお会いする方に失礼な態度を取るような人は、信用するに値しません。

言い換えると、問合せ対応に力を入れていない企業はブランド力が低く、信用しづらい企業として見なされてしまうともいえます。できる限り問合せ対応の質を高めることが重要です。

重要な理由③新規顧客の獲得

顧客対応の質を高めて企業のブランド力や信用度、顧客満足度を向上させれば、新規顧客の獲得にもつながります。また問合せ管理機能を充実させれば、お客様の声を収集することができ、自社のサービス内容に反映させることも可能です。過去の問合せ内容をまとめれば、自社のサービスの強みと弱みも認識できるでしょう。

賃貸仲介営業では、ポータルサイトやホームページからの反響が主な集客方法という会社も少なくありません。このような競合他社が多数存在する状況下において、反響を1件でも多く来店商談に持ち込むことは、会社の存続にかかわる重要課題です。

問合せ対応という初動で競合他社と差をつけないと、他社にお客様を奪われてしまうことにもなりかねません。問合せの段階から高いお客様満足度を目指した対応を行うことは、有効な施策のひとつといえるでしょう。

問合せ対応(メール)の基本的な流れ

パソコンのキーボードを打つ営業マン

それでは実際に、問合せ対応の流れを見ていきましょう。まずは、昨今の問合せの主流であるメールから説明します。

STEP①メール返信の基本的なマナー

回答時は問合せ内容に「Re:」をつけて返信しましょう。一般的なメールソフトであれば、返信ボタンより返信すれば、自動的に「Re:」がタイトルにつくようになります。また、お客様が送信した本文が下部に引用されますので、内容を確認しながら回答メールを作成することが可能です。

本文は、問合せへの感謝の言葉から記載すると良いでしょう。たとえば、「お問合せありがとうございます」などが適しています。また、回答部分は「〈〉」といった記号を用いて記載すると親切な印象を与えられます。

STEP②お客様が本質的に解決したいことを読み取る

問合せメール対応の場合は電話とは異なり、リアルタイムでお客様の反応がつかめません。そのためできる限り早く返信し、お客様を不安にさせない意識を持つことが重要です。

また、メールの内容がわかりやすく正確なものでなければ、何度もやり取りすることになります。お客様の手をわずらわせてしまうことになるため、電話以上に整理された内容での連絡が求められると考えておくようにしましょう。

STEP③必要に応じて社内で確認を行う

問合せを頂戴したら、早期に的確な回答をすべきですが、社内で確認を取らなければならないケースもあります。

2回目以降の問合せのとき

2回目以降の問合せであるときは、社内で確認をした方が良いでしょう。このような場合、「前回の問合せでは解消されなかった」「適切な回答ではなかった」などといったケースが予想されます。

他部署への問合せ内容であるとき

部署や店舗ごとに問合せ窓口を設けていたとしても、その問合せ窓口どおりにご連絡を頂戴できないことも珍しくありません。この場合にも、担当部署へ確認を行った方が良いでしょう。

なお、連絡先が違っていた場合、「担当部署の○○よりご連絡させていただきます」という旨のメールをお客様へ送りましょう。このメールは、「何も返事がない」「どうなっているんだろう」といった不安感の解消につながります。

STEP④内容に応じて回答メールを送る

上述したケースに当てはまらないときや、自分の業務知識で回答できるときは、速やかに回答メールを送信しましょう。このとき、誤字・脱字のチェックに加え、必要に応じてCcやBcc機能を活用し、社内に情報共有しておくことも忘れないようにしてください。

以下に、不動産業界において状況別で使えるテンプレートをいくつか挙げておきますので、実際に返信する際に活用してみてください。

【問合せの返信に使えるテンプレート】

返信メールの冒頭このたびは当社取扱物件に関してお問合せいただき、誠にありがとうございました。
物件の問合せに対する
返信メール
お問合せいただいた物件の詳しい情報に関して、以下のとおりご紹介させていただきます。
問合せ内容が把握しづらく、確認が必要な状況詳細を確認させていただきますので、恐れ入りますが下記の点についてご返信をお願いいたします。
回答までに時間が
かかる場合
現状、○○については社内で調査中となっております。詳細が判明しだい、弊社ホームページにてご案内いたしますので、しばらくお待ちください。

上記テンプレートを参考に、適宜アレンジして使用するようにしましょう。

問合せ対応(電話)の基本的な流れ

電話をする営業マンの女性

ここからは、電話による問合せについて解説します。電話対応は、「考える時間が少ない」という点において、瞬発力が求められる仕事です。しかし、「電話の方が対応しやすい」という方も多く、場数がモノをいう業務ともいわれています。

STEP①電話対応の基本的なマナーを覚える

まずは、電話対応の基本的なマナーを覚えましょう。電話対応の場合、基本的に3コール以内には取るようにしてください。4コール以降に電話を取ることになった場合は、「お待たせいたしました」と断りを入れてから問合せ内容を聞くのがマナーです。
また、第一声は「お電話ありがとうございます、株式会社○○の△△が承ります」と自分の名前まで名乗ると良いでしょう。このとき、はっきりした声でかつ聞き取りやすい速度で話すことも重要なポイントです。小声や早口の場合は、聞き取りにくいことに加え、問合せ対応の質が低いと判断されてしまいます。

STEP②要件を聞く

お客様の要件を伺うときは、お客様の話に耳を傾けることを心がけてください。途中で話を遮ったり、一方的にこちらが話をしてしまったりすることは、適切な対応とは呼べません。

要件をお伺いしているとき、お客様の言葉に1つずつ丁寧に相槌を打てば、話をちゃんと聞いている姿勢を伝えられます。電話対応では話すときだけでなく、聞く姿勢も問われることを忘れないようにしましょう。

問合せ対応をスムーズに行うために、基本的なフレーズを頭に入れておくことも有効です。たとえば相槌を打つ際は「左様でございます」「おっしゃるとおりです」など敬語を使うようにしましょう。「ですね」「なるほど」などのフランクな相槌は、失礼にあたるので注意してください。

問合せ内容を受理した際は、「かしこまりました」「承知いたしました」などの言葉を使用しますが、なかにはすぐに回答できない場合、上司やほかの部署に案内することも少なくありません。その際は、「お手数をおかけしますが」「恐れ入りますが」などのクッション言葉を使い、できる限り不快な思いをさせないように配慮しましょう。

ただし、聞いているだけでは大事な内容を忘れる可能性もありますので、メモを取ることは必須です。問合せ内容を記録・管理しておけば、次回対応時の効率化が図れます。

また、お客様が話し終えたら、今度は担当者の口で同内容を復唱してください。自分で聞き取れていると思っていても、意図しない受け止め方をしている可能性は0ではないからです。

STEP③担当者につなぐ

お客様からの要望が自分で対応できるものであればそのまま会話を続けるべきですが、そうでないときは担当者に引継ぎを行うことが必要です。担当者へ引継ぎを行う際は、以下のことに注意してください。

端的にお客様の要件を担当者に伝える

お客様からの要件を、具体的かつ端的に正しく担当者に伝えるようにしてください。この伝達が不十分だった場合、お客様が一から改めて要件を担当者に伝えなければなりません。お客様と担当者の話が噛み合わず、大きなクレームに発展することもあるので注意しましょう。

保留時間を短くする(長くなるときは折り返しご連絡する)

引継ぎを端的に行う理由は、お客様を長く待たせないことにあります。保留時間が長くなるとお客様はストレスを感じ、この場合もクレームに発展しかねません。説明に時間がかかりそうなときや、担当者が不在のときは速やかに折り返し連絡する旨を伝えるようにしてください。

STEP④内容に応じて回答する

担当者が自分である場合、内容に応じて適切に回答しましょう。問合せ回答の原則は「早く」「正確に」です。

お客様が求める必要な情報を正確に伝えるためには、自社商品・サービスに精通していなければなりません。電話対応のテクニックも重要ですが、日々の自己研鑽も怠らないようにしましょう。とりわけ、賃貸仲介業者であれば、自社が発信している賃貸物件は最低限把握しておくべきです。

もちろん、電話を切る際も気を抜いてはいけません。受話器を乱暴に置いてしまった際の「ガチャン」という音はお客様に不快な印象を与えるため、お客様が切電されたことを確認してから受話器を置くのが良いでしょう。

なお、人間はある出来事を「最も感情が高ぶったときの印象」と「最後の印象」だけで全体の印象を判断する傾向にあり、これを「ピークエンドの法則」といいます。この心理効果を利用して、電話を切る間際に感情を揺さぶるような丁寧な感謝の言葉や、さらに耳寄りな情報やキャンペーンを伝える方も少なくありません。

問合せ対応(メール・電話)でよくある課題

問合せ対応を繰り返すうちに、課題はいくつも見つかるはずです。ただし事前に把握しておけば、お客様が不快な思いをするリスクを最小限に抑えられます。問合せしていただいたお客様に満足してもらうために、以下の課題は一通りクリアするようにしましょう。

返信や対応が遅くなる

問合せ対応は、スピード感が特に重要です。しかし、さまざまな理由で返信や対応が遅くなる場合があります。

問合せ方法が複数ある場合、返信や対応の遅れにつながるでしょう。最近では、メールだけではなく各種SNSや問合せフォームなどで問合せできる賃貸不動産会社も多いです。問合せ内容の管理が難しくなり、その結果すぐに問合せに気づくことができず、対応が遅れてしまうようになるのです。

人によって対応の質にばらつきが生じる

新人やベテランなど、担当者によって対応の質が異なることも課題の1つです。担当者が新人の場合、業務に慣れていないうえ、物件に対する知識が不足していることも多くあります。

対応の仕方が毎回変わる場合、お客様は情報が正確かどうかも不安になってくるでしょう。

あまりにも差がある場合、問合せ対応業務に対する意識の低さを疑われるため、企業の信頼を失うことにもなりかねません。また、契約後のトラブルにつながる可能性もあるので、早急に対処する必要があります。

イレギュラーに対応しきれない

問合せ対応では、通常業務に加えてイレギュラーな業務が発生することもあります。しかし問合せ対応の経験が少ない場合、イレギュラーな内容に対応しきれず、通常業務にも支障をきたすことが考えられます。

また経験が豊富な方でも、過去の問合せ内容を管理していないのであれば、イレギュラーに対応することは難しいでしょう。問合せ対応時にイレギュラーな内容が出てきたときは、次回以降の効率化を意識して記録しておくようにしましょう。

お客様1人に対して時間をかけすぎる

お客様1人に時間をかけすぎることで、ほかの問合せに対応する時間が減ることも課題のひとつです。たとえば問合せ内容がすぐに回答できないものである場合、リサーチにかかる時間分だけお客様を待たせてしまうことになります。内容によっては上司やほかの部署に意見を求めるケースも出てくるため、より時間がかかる可能性もあるでしょう。

同じ問合せが何度もある

同一のお客様から同じ問合せを何度も頂戴するときは、前の問合せの応対が不十分だった可能性が考えられます。また、異なるお客様から同じ内容の問合せを何度も頂戴するときは、自社から発信している情報が不足している、または不十分である可能性があります。

問合せを増加させることを目的とし、意図的に情報の一部のみを発信しているのであれば問題ありません。しかしそうでない状態で同じ問合せが増加しているときは、発信内容や問合せ対応を見直す必要があるといえます。

問合せ対応(メール・電話)の質を上げるために営業担当が意識したいこと

問合せ対応の質を高めるためには、さまざまな課題をクリアしていく必要があります。ここからは、問合せ対応の課題をクリアするために意識すべきポイントを紹介していきます。

業務効率化を行い、問合せにすぐ対応できる体制づくり

問合せ業務の効率化が実現し、いつでもすぐに返信・対応できるようになれば、クレーム等のリスクを下げることができます。たとえば、マニュアルやフローチャートがあれば、担当者によって対応の質が変わることを防げます。お客様1人にかける時間も短くなり、ほかの問合せにも対応できるようになるでしょう。

問合せ頻度が高い内容であれば、問合せ管理システムやFAQシステム、チャットボットの導入がおすすめです。予想できる質問の内容を考えて、事前に入力しておくと良いでしょう。

賃貸仲介営業会社では、反響メールを受信したら社内で共有するなどの工夫も効果的です。些細なことですが、最優先で対応すべき業務であるという社内認識を統一させることは非常に重要といえます。

電話対応については、代行業者を使うのもおすすめの方法です。契約する企業によって異なりますが、月額料金約5,000円で、自社にかかってきた電話をコールセンター業務のプロに任せられます。月額料金が発生しても問題ない場合には検討してみると良いでしょう。

問合せ対応で時間がかかりすぎることは、お客様に大きなストレスを与えます。業務効率化が実現すれば、顧客満足度の向上にもつながるはずです。

※下記の関連記事もチェックしつつ業務効率化できるようにしましょう。

ほかの社員・部署との連携を強化し、問合せ対応を均質化

問合せ内容によっては、ほかの社員や部署に案内したり、相談したりすることもあるでしょう。ほかの社員・部署との連携を強化すれば、その際にスムーズにやり取りができ、待ち時間を最小限に抑えられます。

たとえば、ほかの社員に連絡する手段を今より増やせば、仮に1つの方法でつながらない場合でも、別の方法を取ることが可能です。電話だけの場合は通話中つながりませんが、メールで連絡できるのであれば大きな問題とはなりません。

また、過去の問合せ対応事例などの情報を、担当者間で共有することも時間短縮の効果があります。イレギュラーな問合せ内容であっても、過去に事例があればスムーズな対応が可能になるでしょう。

対応事例の共有をすることで、問合せ対応が増えるたびにノウハウが蓄積されていきます。物件内容が似ている場合は、過去の事例で得た回答内容を流用することもできます。ほかの社員や部署と連携を取り、問合せ対応業務の効率化を図っていきましょう。

幅広い回答テンプレートを用意し、イレギュラーな問合せにも対応

テンプレートを事前に用意するという方法も有効です。電話対応とメール対応それぞれでテンプレートを準備していれば、対応時間を短縮させることができます。

不動産仲介営業の問合せ対応では、同じ文章を繰り返し返信する機会が多くあります。テンプレートがあれば毎回入力する必要がなくなるため、その分だけ業務の効率化につながるでしょう。

また、物件に対する細かい問合せは、お客様のほうも回答までに時間がかかることをある程度覚悟して連絡してきています。そのため、基本的な問合せ内容はもちろんのこと、イレギュラーな問いに対するテンプレートも用意しておけば対応時間の短縮が可能になり、顧客満足度を高めることができるようになります。

なお、テンプレートを利用する際は作成済みのテンプレートを選択できるよう、対応項目ごとに整理しておき、なるべく使いやすい状態を保つようにしましょう。

賃貸仲介営業の場合は、物件情報が専用システム内もしくはダイレクトにサーバーに保存されていることがほとんどです。このとき、定型フォーマットで物件情報をまとめ、そして誰でも簡単に加工できるように準備しておくことをおすすめします。こうすることで、回答品質の向上が叶います。

※下記の関連記事では状況別のビジネスメール文例(訪問後お礼/返信マナー/催促/謝罪/遅れた時のお詫び/日程調整/新規開拓など)をまとめてますので、テンプレート作成の参考にチェックしてみてください。

知識不足を克服し、対応スピードを向上

マニュアルやフローチャートの作成後は、その都度開いて確認するのではなく、なるべくその内容を頭に入れておくようにしましょう。知識が定着することで確認の手間がなくなり、対応スピードの向上にもつながります。

また、問合せ内容をほかの社員や部署に確認する場合、そもそも担当者の知識不足が原因のことも考えられます。対応に不安がある方は、自身が苦手とする分野はどこなのかを洗い出し、基礎の勉強からはじめてみてはいかがでしょうか。

問合せの意図を読み取る

昨今の主流であるメール問合せでは、問合せの内容や意図が的確に記載されていることの方が珍しいことです。そのため、何をどのように返信すれば良いかわからないこともあるでしょう。そのため、数少ない情報から問合せの意図を読み取ることが求められます。

一般的な営業担当者が「商品やサービスの内容を知りたい」という問合せを頂戴したときは、パンフレットなどを活用して基本情報をお伝えし、導入事例をもとに自社商品の信頼性の高さをアピールする内容を返信するでしょう。また、価格については「状況によって異なります」という返事をし、その後の商談に持ち込むのが一般的です。

一方、賃貸仲介営業であれば、シンプルに「お部屋の状況を知りたい」としか質問されないことも多々あります。そのときは、立地や物件概要を端的にまとめた資料を送りましょう。これに加え、初期費用の概算見積もりや特約なども記載するとより親切です。

賃貸仲介営業担当者が一度は抱える問合せ対応(メール・電話)の悩みと解決策

賃貸仲介営業での問合せ対応で、誰もが一度は経験する「あるある」な悩みと解決法をまとめました。

間違えた情報を答えてしまった

空室に関する問合せで多いのは、以下のようなものです。

申込済みの部屋を案内可能と回答する

勢い余って「大丈夫」と回答してしまうケースや、実際に空いていたのに確認すると申込みが入っていたというケースは決して少なくありません。さまざまな原因で発生するこの問題は、回答前の確認を徹底するしかありません。

備わっていない設備を「ある」と回答する

設備の設置状況の問題もよく起こります。単なる勘違いや、管理会社の説明違いなどで起こり得るトラブルです。

間違った費用や家賃を回答する

初期費用や家賃を間違うことはあまりないかもしれませんが、光熱費や水道代などの月額費用や退去時の費用説明に漏れが生じることがあります。いずれのケースにおいても、虚偽広告は厳しく罰せられる可能性があるので、発覚した段階で素直に確認不足を認め謝罪しましょう。

折り返しする予定の電話が遅くなりそう

お客様によっては、仕事や用事の関係で折り返しの時間を指定されることがあります。しかし、その前の接客が長引き、約束の時間にかけられないことも珍しくありません。

時間通りに連絡をすることがビジネスにおいてはマナーですが、やむを得ないときはその旨をお客様に伝えるようにしましょう。目の前のお客様に断りを入れたうえで、接客が長引いているため再度ご連絡する旨をお伝えするなど、対処の方法はいくらでもあります。

万が一連絡を忘れてしまっていたときは、正直に忘れていたことをお伝えし謝罪してください。電話がつながらないときは、ショートメッセージで謝罪すると良いでしょう。

問合せにメール返信してから連絡が途絶える

ポータルサイトにお客様が問合せをされるときは、自社掲載物件のみに問合せをされることの方がレアケースです。返信率(コンタクト率)が低い状態では、当月の目標をクリアできずに終わってしまう可能性が高まってしまいます。返信率が低い理由として、主に以下のようなものが挙げられます。

返信の内容が薄い

お客様に聞かれたことだけを回答している場合、情報が薄くサービス性に乏しいという印象を持たれやすいです。このような対応を続けるのは、返信率を下げる要因のひとつとされています。

返信が遅い

賃貸仲介業者において返信スピードは非常に重要です。最近は反響受信のタイミングでサンキューメールを送信できるサービスなどもありますが、サンキューメールは返信ではないため、営業担当者からの正式な連絡が必要になります。

ゴリゴリの営業トークになっている

昔の賃貸仲介営業は、賃貸仲介業者側に主導権がありました。しかし、最近では情報量という観点から見て、お客様と賃貸仲介業者の間に以前ほどの差はありません。すなわち、主導権が一定程度お客様側にあると認識した方が良いでしょう。

そのため、「すぐに来店してください」「すぐに決めないとなくなりますよ」というゴリゴリの営業トークはもはや通じません。お客様のサポートに徹しつつ、随時プロとして類似物件を紹介するという伴走・提案型の営業スタイルが昨今の賃貸仲介営業のトレンドといえます。

電話番号があるのに追客をしていない

問合せがメールだったからといって、電話をしてはいけないというルールはありません。返信がなければ電話することも有効な手段ですので、積極的に電話連絡での追客を行いましょう。

お客様は、平日昼間は仕事に従事されることが多いため、帰宅後にメールをチェックする傾向にあるといわれています。仕事の効率的な配分という観点から、日中はメールでの問合せ返信対応や物件提案に終始し、18時以降に電話追客を行うと着電率が改善するといわれているので、困っている方はぜひ実践してみてください。

問合せ対応は新規顧客獲得や信用度に関わる大事な要素!

握手する営業マン

今回は賃貸仲介営業の担当者に向けて、問合せ対応の必要性や正しい対応方法を解説しました。問合せ対応の質の高さは、新規顧客の獲得や企業の信用度に関わってくる重要な要素です。

しかし、お客様に不快な思いをさせず、満足してもらうためにはいくつかクリアしなければならない課題があります。事前にテンプレートを用意したり、過去の事例を共有したりするなど、できることから始めていきましょう。

KS

この記事を書いた人

大学卒業後、賃貸仲介業や管理業を約4年間経験したのち、知人の独立を手伝い賃貸仲介会社を2社立ち上げ。後に賃貸管理業のプロパティマネージャーやアセットマネージャー、総合不動産会社での経営企画室室長としてのキャリアを積む。
現在は、賃貸事業、管理事業、注文住宅事業の立て直しのため、店舗店長を兼任し、マネジメントを行っている。

■現在の職業・肩書き・資格など
宅地建物取引士 / 賃貸不動産経営管理士

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