記事公開日:2025/05/13
最終更新日:2025/05/13
「さっき電話したお客様に、お礼のメールって送った方がいいのかな?」
「送るにしても、どんな内容で、いつ送ればいいんだろう…」
賃貸仲介営業をしていると、お客様との電話対応は日常茶飯事です。忙しい業務の中で、電話後のフォローアップ、特に「お礼メール」を送るべきか悩んだり、後回しにしてしまったりすることはありませんか?実は、この電話対応後のお礼メールひとつで、お客様の印象は大きく変わり、その後の反響や成約率にも影響します。
そこで、この記事では、営業担当者の皆さんが「デキる営業」として一歩リードするために、電話対応後に送るお礼メールの重要性から、好印象を与える書き方のポイント、そしてさまざまなシーンでそのまま使える【コピペOK】な例文まで、完全版として徹底解説します。ぜひ最後までお読みください。
目次
結論から言うと、電話対応後のフォローアップメール(お礼メールやサンクスメール)はかならず送るべきです。なぜなら、たった一通のメールがお客様との関係構築において非常に重要な役割を果たすからです。その理由は以下のようにまとめることができます。
電話だけでは伝えきれなかった情報や、話した内容の要点を改めて文字で送ることで、お客様の記憶に残りやすくなります。
忙しい中、わざわざメールを送る一手間が、お客様に「丁寧に対応してもらえた」「大切にされている」という好印象を与えます。
メールの中で自然に来店を促したり、追加情報を提供したりすることで、スムーズに次のステップへ繋げられます。
通話内容の要点や決定事項を記録として残せるため、「言った・言わない」のトラブル防止にも役立ちます。
このように、フォローアップメールは単なるお礼に留まらず、お客様満足度の向上や営業活動の効率化に直結する重要な手段なのです。
フォローアップメールの重要性を理解したところで、実際にメールを送るときに押さえておきたい3つのポイントを解説します。
なお、大前提として、誤字脱字や敬語の間違いがないかは必ずチェックしてください。せっかくの内容も、基本的なミスがあると信頼を損ねてしまいます。特に、宛先や名前の間違いは一発アウトと認識し、かならず何度も確認するようにしましょう。
メールは可能な限り早く送りましょう。なぜなら、お客様の記憶が新しく、関心が高い(熱が冷めない)うちにメールを送ることで、熱意や誠意が伝わりやすくなるからです。また、対応が早いという印象は、お客様からの信頼を勝ち取りやすい傾向にあります。
具体的には、電話を切ってから5分〜10分以内が理想です。難しいときは遅くともその日の営業時間内には送るように心がけましょう。
件名は「誰から」「何の用件か」が一目でわかるように具体的に記載し、「取り急ぎ」という言葉は避けましょう。
お客様は日々多くのメールを受け取っています。件名が曖昧だと、他のメールに埋もれてしまったり、開封されなかったりする可能性があります。また、「取り急ぎ」は丁寧さに欠ける印象や、準備不足な印象を与えかねません。
・【株式会社〇〇(担当:△△)】本日はお問い合わせいただきありがとうございました
・【株式会社〇〇(担当:△△)】先ほどお電話にてお話させていただいた件
・ありがとうございました
・取り急ぎお礼まで
開封され、内容をスムーズに伝えるためにも、具体的で分かりやすい件名をつけましょう。また、会社の代表メールではなく、会社から与えられた個人メールアドレスから送信すると、開封率が高くなるというデータもあります。
メールには、話した内容の要約だけでなく、お客様の記憶に残る物件情報や、次のアクションを具体的に、そして心理的な効果も意識しましょう。
なぜなら、お客様は具体的な物件情報や今後の流れに強い関心を持っているからです。電話の「終わり(エンド)」に、丁寧で有益な情報が記載されたメールを受け取ることで、電話対応を含めた全体の満足度や記憶への定着度が格段に向上します(ピーク・エンドの法則)。
さらに、価値ある情報や丁寧な対応を提供することで、「何かお返しをしたい」という返報性の原理が働き、お客様の来店や問い合わせといった次のポジティブな行動を引き出しやすくなります。これは、お客様の検討をスムーズにし、信頼関係を築きながら成約へと繋げるための重要なテクニックです。
具体的には、以下の点を意識してみましょう。
お客様の希望条件に合った物件を厳選して2〜3件に絞ります。なぜなら、多すぎるとお客様は選ぶことに疲れるからです(選択のパラドックス回避)。「〇〇様にはこの2つがおすすめです」と理由を添えると、特別な提案として刺さりやすくなります。
「ぜひ一度ご内見をおすすめします。〇日の午前、または〇日の午後はいかがでしょうか?」のように、具体的な日時を複数提示して来店を促すと効果的です。お客様が次の行動をイメージしやすくなるため、具体的な提案を心がけましょう(行動のトリガー)。
電話で回答しきれなかった質問には、状況や回答目安を伝えることで誠実さをアピールし、お客様の不安を取り除きましょう。これが信頼関係の一歩となり、返報性にも繋がります。
お客様の心理を理解し、正確な情報提供と次のステップへの誘導に行動心理学の視点をプラスすることで、お礼メールの効果を最大化させることができます。
ここからは、様々なシーンで使えるお礼メールの例文をご紹介します。コピペして、会社名や担当者名、お客様名、物件情報などを適宜変更してご活用ください。
本文:
〇〇様
お世話になります。
株式会社〇〇の△△です。
本日はお忙しい中、〇〇(エリア/物件種別など)のお部屋探しについて
お問い合わせのお電話をいただき、重ねて御礼申し上げます。
お電話にてお伺いさせていただきました、〇〇様のご希望条件(〇〇駅徒歩〇分以内、家賃〇万円台、1LDKなど、特に〇〇を重視されている点)につきまして、現在、〇〇様にとって最適な物件を全力でお探ししております。
いくつか候補となりそうな物件が見つかり次第、迅速にご連絡させていただきますので、恐れ入りますが、今しばらくお待ちいただけますでしょうか。
まずはお電話のお礼を申し上げます。
〇〇様の理想のお部屋探しが叶いますよう、精一杯サポートさせていただきます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
このメールのポイントは、感謝の言葉を重ね、希望条件を具体的に復唱し、特に重視する点に触れることで「しっかり聞いてもらえた」という安心感を与えることです。また、熱意もきちんと伝え、ポジティブな印象で締めくくりましょう。
本文:
〇〇様
お世話になります。
株式会社〇〇の△△です。
先ほどはお忙しい中、お電話にてご来店のご予約をいただき、
誠にありがとうございました。
〇〇様のために、お伺いしたご希望条件に合う物件資料をご用意し、
下記の日時でお待ちしております。
【ご来店日時】〇月〇日(〇)〇時〇分
【ご来店場所】株式会社〇〇 〇〇店
(地図URL:http://~~)
当日は、〇〇様のお部屋探しがより良いものとなりますよう、
精一杯お手伝いさせていただきます。
もし道に迷われた場合や、万が一ご都合が悪くなった場合は、
どうぞご遠慮なく下記までご連絡くださいませ。
TEL:XXX-XXXX-XXXX
改めまして、この度はご予約いただきありがとうございました。
〇〇様にお会いできるのを、心より楽しみにしております。
この例文では、お客様個人への配慮を示す「〇〇様のために」といった言葉を入れることで、より丁寧な印象を与え、お客様の気持ちに応えたいという心理に働きかけます。
また、予約内容の再確認は、リマインドのみならず「行く」というお客様の決定を再認識させる効果も狙っています。また、何かあった時に「遠慮なく」連絡できるという安心感を提供することも大切です。
そして、締めくくりに「心より楽しみにしております」と添えることで、ポジティブな雰囲気を作り出し、お客様に良い印象を残すことを目指しています。
本文:
〇〇様
お世話になります。
株式会社〇〇の△△です。
先ほどはお忙しい中、〇〇(物件名など)について
お問い合わせいただき、誠にありがとうございました。
お電話で特にご関心をお持ちだった〇〇(例:キッチンの広さ、駅からの距離)について、改めて詳細情報をお送りいたします。
▼〇〇(物件名)
物件URL:http://~~
(もしPDF資料などがあれば添付し、その旨を記載)
→特に、〇〇様が重視されていた〇〇(例:日当たり)は大変良好です。
また、お伺いしたご希望条件に基づき、〇〇様が気に入っていただけそうな他の物件も厳選して2件ほどピックアップいたしました。
よろしければ、下記もご覧くださいませ。
▼〇〇(物件名2)
物件URL:http://~~
▼〇〇(物件名3)
物件URL:http://~~
これらの物件も含め、実際に内見していただくのが一番かと存じます。
もしよろしければ、〇日の午前、または〇日の午後など、ご都合の良い時間帯はございますでしょうか?
その他、ご不明な点や、「こんな物件も見てみたい」といった追加のご希望などがございましたら、
いつでもお気軽にご連絡ください。
引き続き、〇〇様のお部屋探しを全力でサポートさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
物件情報をお送りするこのメールでは、電話での会話内容に触れてお客様へのオリジナル感を出すことで、お客様との距離を縮めます。おすすめポイントを具体的に伝えることは、お客様への有益な情報提供となり、信頼関係の構築に繋がるでしょう。
さらに、提案物件を厳選して示すことで、お客様の意思決定をスムーズに誘導できます。そして、具体的な来店日時を提案することで、お客様の「検討したい」という気持ちを行動へと移しやすくする工夫を盛り込んでいます。
本文:
〇〇様
お世話になります。
株式会社〇〇の△△です。
先ほどはお電話にて、〇〇(物件名)に関するご質問をいただき、
誠にありがとうございました。
お問い合わせいただきました「〇〇(具体的な質問内容)」につきまして、
確認いたしましたので、以下の通りご回答いたします。
・〇〇につきましては、△△となっておりますのでご安心ください。
・より詳細な情報は、添付資料(または下記URL)でご確認いただけます。
資料名:~~/URL:http://~~
今回お答えした内容以外にも、少しでも気になる点や、
他にご確認されたい事項などがございましたら、
いつでも、どんな些細なことでも構いませんので、
ご遠慮なく△△までお申し付けください。
まずはお電話のお礼かたがた、ご質問への回答とさせていただきます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
この質問回答メールでは、「貴重なご質問」という表現や質問内容の復唱によって、お客様への敬意と丁寧な対応姿勢を示します。
分かりやすい回答で疑問を解消し、さらに「どんな些細なことでも」と気軽に相談できるオープンな雰囲気を作ることで、お客様の安心感が高まります。また、丁寧なまとめで、コミュニケーション全体を良い印象で締めくくることも意識しています。
今回は、賃貸仲介営業における電話対応後のお礼メールについて、その重要性から書き方のポイント、具体的な例文まで解説しました。
たった一通のメールですが、スピード感と丁寧なフォローはお客様からの信頼を獲得し、次のアクション、ひいては成約へと繋がる重要なステップです。
今回ご紹介したポイントと例文を参考に、ぜひ今日から実践してみてください。
①スピード感を大切にすること
②件名は具体的にすること
③お客様オリジナルの内容を盛り込むこと
これらの積み重ねが、お客様に「この人に任せたい」と思っていただける、信頼される営業スタッフへの道を開きます。ぜひこの記事の内容を参考にして、フォローメールを営業活動に活用してみてください。
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