記事公開日:2025/05/16
最終更新日:2025/05/13
エレベーターを使うときのマナーは、仕事中の大切なルールのひとつです。とくに不動産会社では、お客様や取引先と一緒に乗ることが多く、ちょっとした動きや言葉づかいが相手の印象を左右します。
しかし、マナーの大切さはわかっていても「実際にどう動けばいいのか」「何に気をつけるべきか」などがわからず、不安に感じることもあるでしょう。
そこでこの記事では、エレベーターでの基本的なマナーと、よくある場面ごとの対応方法をわかりやすく説明します。業務に自信を持って取り組みたい不動産会社の若手スタッフの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ここでは、基本的なエレベーターマナーを具体的に解説します。信頼される対応ができるよう、しっかりと身につけておきましょう。
エレベーターを利用する際は、次の3点を意識することが大切です。
エレベーターを待つときはドアの正面ではなく、左右どちらかに立ちます。先に降りる人の通路をふさがないための基本的なマナーです。
扉が開いたらすぐに乗り込まず、まずは中にいる人がすべて降り終えるのを待ちましょう。安全面と円滑な利用のためにも必要な配慮です。
乗る順番にも注意が必要です。目上の人やお客様がいる場合は、自分より先に乗っていただきます。不動産会社では、来客を優先する姿勢が信頼感を高める要素となります。
また、人数が多くて混み合っているときには無理に全員で乗ろうとせず、次のエレベーターを待つ判断も、落ち着いた対応として好印象を与えます。
エレベーターに乗っている間は、まわりの人に気を配って静かに過ごすことが大切です。とくに不動産会社ではお客様と一緒に乗ることも多いため、落ち着いた行動が信頼につながります。次の3つのマナーを意識しましょう。
たとえ小声でも、社内の話や顧客情報は周囲に聞こえる可能性があります。機密情報の保護という観点からも、エレベーター内での会話は控えるのが基本です。
スマートフォンを見ていると、相手に対して関心がない印象を与えてしまうことがあります。短時間でも使用は控え、周囲に注意を向けましょう。
密閉された空間では、においや飲食の音が不快に感じられることがあります。清潔感を保つ意味でも、飲食物の持ち込みは避けるのが無難です。
また、操作ボタンの近くに立ったときは、頼まれなくても自らボタン操作を行うと良いでしょう。自然な気配りとして評価されることが多く、信頼される社会人としての印象につながります。
エレベーターを降りるときにも、基本的なマナーを守ることが大切です。次の3つを意識しましょう。
降りるときは自分が先に出るのではなく、目上の人やお客様を優先し、最後に降ります。とくに不動産会社では、物件案内や契約手続きなどでお客様と行動をともにする機会が多く、エレベーター内での丁寧な対応も接客の一部として見られています。
ドアの近くに立っている場合、奥にいる人が降りやすいように、一度エレベーターの外に出て通路をあけましょう。「お先にどうぞ」などと言わなくても、スムーズに動けると、まわりへの気配りが伝わりやすくなります。
人が多い場合でも、慌てて降りたり、無理に押し出たりしないように注意します。周囲をよく見て、ゆずり合いながら行動する姿勢が大切です。
また、エレベーターを降りたあとは、お客様の歩く速さに合わせたり、進む方向をさりげなく案内したりすることで、最後まで丁寧に対応している印象を与えられます。
エレベーターにも、会議室や車内と同様に「上座・下座」が存在します。一般的には、次のように覚えておきましょう。
・奥の壁側:上座
・操作盤付近:下座
ただし、現場の状況によっては柔軟な対応が求められるため、一概に決めつけないことも大切です。
上座・下座に関するより詳しいルールや実践例は、別の記事で解説しています。よりレベルの高いビジネスマナーを身につけるために、ぜひそちらも参考にしてください。
ここでは、シーン別に注意すべきエレベーターマナーを具体的に解説します。
自社でお客様とエレベーターに乗る際は、状況に応じて対応を変えることが大切です。以下の2つのパターンを覚えておきましょう。
他の社員がすでに乗っている場合は、軽く会釈をしてから「失礼いたします」と声をかけたうえで、お客様を先に案内します。自社の社員へのあいさつも忘れずに行うことで、社内外への配慮が伝わります。
扉が開いたら、自分が先にボタン操作のために乗り、開ボタンを押しながらお客様を招き入れます。お客様には操作盤から離れた奥側に立ってもらい、自分は操作盤付近に控えるのが基本です。会話は最小限にとどめ、エレベーター内では静かに行動します。
物件の内見時は、お客様に与える印象が成約に直結することもあるため、エレベーター内での立ち居振る舞いにも十分な配慮が求められます。乗る際は必ず「どうぞ」と声をかけてお客様を先に乗せ、操作盤の前にはスタッフが立ち、ボタン操作を行いましょう。
エレベーター内で物件の説明を続けたくなる場面もありますが、基本的には会話を控え、静かに乗るのがマナーです。とくに居住中の物件では、ほかの住人が同乗する可能性もあるため、個人情報や契約条件などの話題は避けなければなりません。
上司や先輩とエレベーターを利用する際は、目上の人への基本的なマナーを意識することが大切です。
エレベーターに誰も乗っていない場合は、自分が先に乗り、開ボタンを押して上司や先輩を奥側へ案内します。そのまま操作盤の近くに立ち、ボタン操作を担当しましょう。
すでに扉が開いていて、上司や先輩が先に乗る流れになった場合には、開ボタンを押すかドアを手で押さえるなどして、安全に乗ってもらえるよう配慮します。
エレベーター内では、基本的に操作を担当する立場に回り、上司から話しかけられた場合を除き、自分からの私語は控えましょう。また、上司が先に降りる際には、すぐに「開」ボタンを押してサポートすると、細やかな気配りができる人として良い印象を与えられます。
取引先のオフィスでは社外の目もあるため、普段以上に緊張感を持つ必要があります。エレベーター待ちの列には静かに並び、無理に前に出ないことが基本です。
取引先の担当者と一緒に乗る場合は、先方を奥側に案内し、自分は操作盤付近に控えます。会話は極力控え、必要な場合も小声で行います。エレベーター内で名刺交換を行ったり、大声で会社名を口にしたりするのはマナー違反なので注意しましょう。
社外の人から見られていることを意識し、どのような場面でも丁寧に振る舞うことが大切です。
ビル内でまだ面識のないお客様と思しき人とエレベーターに同乗する場合も、細心の注意が必要です。自社の制服や名札を身につけている場合、すでに「会社の顔」として見られていると考えましょう。
この場合は、無理に話しかけたり、じろじろ見たりせず、静かにエレベーターを利用します。もし同じ階で降りることになった際には、軽く会釈をして道を譲ると、丁寧な印象を与えられるでしょう。
後に正式なお客様となる可能性がある場合、最初の印象が商談の結果に影響することもあります。だからこそ、どのような場面でも慎重で丁寧な対応を心がけましょう。
エレベーター内でのマナーは、不動産業界においても軽視できない重要なビジネスマナーのひとつです。物件案内の際にお客様を自然にエスコートしたり、取引先との訪問時に落ち着いて対応したりすることで、「丁寧で信頼できる人だ」という印象を与えることができます。
操作ボタンを押す、立ち位置に気を配る、会話を控えるといった小さな行動も、相手への思いやりとして伝わります。こうした積み重ねが、信頼関係を築く土台となるでしょう。
エレベーターの中だからこそ気を抜かず、場面に応じた行動を心がけましょう。
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